浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

インターネット新聞「JANJAN」掲載

【第237回】黒髪のオーケストラ、魅力のアジア若者

(写真は本人、指揮者、主催者の許可を得て、筆者撮影) 2011年8月30日 記 : 筆者(浜地)は事務局ヴォランティア 暑い夏の最後、恒例のAYO(アジア・ユース・オーケストラ)が今年もやってきた。 ttp://ayonihonjimukyoku.com/ アジアが一つになったこの圧倒…

【第234回】 ベルリンの壁崩壊20年に思う

2009/11/10 記 1989年10月末、筆者は国際情報(日本情報)に関する会議出席のため、ベルリンに出張中だった。 しかし、東西冷戦の終結の発端となった「壁の崩壊」(11月9日)という歴史的瞬間を二週間後に控え、現場のド真ん中にいながら予測することはで…

 【第231回】驚くべき「インド工科大学」フォーラム

ダンデIIT学長、ズラッと並んだパネリスト (許可を得て撮影、全て筆者) インドの衝撃 壇上に上り、パネリストと活発な直談話 (「Entrepreneurship」討議後) 2007/11/20 記 インド工科大学同窓会は、11月にフォーラム「JAPAN CONFERENCE 2007」を3日間…

【第230回】「六角堂」の夢

朱色に映える六角堂 (筆者撮影) 2009/12/25 記 朝もやに迎える日の出(北茨城市五浦海岸にて)。 年末の連休の間(はざま)。 夜明け。 朝かすみの中、岸壁の下に、ひそかにたたずむ、朱色の小さなガゼボー(見晴らし台)。 穏やかな太平洋の水平線のかな…

【第227回】松本清張が『魔笛』(モーツァルト)を語っていたとは!

過ぎ行く日暦、松本清張 新潮文庫 創作ノートに秘かに記されていた『魔笛』をめぐる構想 2009/05/28 今年は、松本清張生誕100年である。北九州市小倉にある松本清張記念館をはじめ、各地でさまざまの行事が行われるようだ。 筆者も清張への思いを元に、NY…

【第225回】ビンラーデン水葬から「護憲法9条」へ(後)

承前: 【第223回】 ビン・ラーデン水葬から「護憲法9条」へ(前) - 浜地道雄の「異目異耳」 ビンラーデン水葬から「護憲法9条」へ(前) イスラム教徒の絶対生活訓「コーラン」(岩波文庫) 一般選挙の難しい「男の世界」(カブール、浅井聡氏撮影) (以…

【第223回】 ビン・ラーデン水葬から「護憲法9条」へ(前)  

ビンラーデン殺害を報じる(産経、2011年5月3日号) (2008年1月22日付け過去記事を基に再製) オバマ大統領の指示のもと、ビンラーデンを「水葬」にした米部隊への疑問を記した(2011年5月2日のこと)。 【第222回】 ビンラーデンを「水葬」にした愚挙 - 浜…

【第222回】 ビンラーデンを「水葬」にした愚挙

米空母 Carl Vinson Carl Vinsonからペルシャ湾に投下される(米海軍公式写真) 2011年5月2日のこと: アルカイダの指導者ウサマ・ビンラーディンを「米国が実施した作戦で殺害した」という一日夜のオバマ米大統領の緊急声明には驚いた。 ここでの「正義は…

【第221回】 日本が主導すべき中東和平問題

ホワイトハウス発表 May 19, 2011 8月15日、「タリバンがアフガニスタンを再占拠」という降って湧いたようなニュース。 筆者(浜地)にとっては、「二人のアフガニスタン人難民」以来、20年ぶりのテーマである。 【第125回】イスラームの花嫁(アフガン難民…

【第220回「子供に英語でPCスキルを」(2005年)

2005/08/03 記 手段としての英語とPCを自然に楽しく学べ、世界標準的なスキルを駆使して中身を構築し、心を伝えていくことができる。子供たちはなんとたやすく入っていくことか! 旧聞ながら、昨年2004年8月27日の朝日新聞に「小学校の英語導入の是非」…

【219回】タタに見る異文化理解 ~ 時空を超えた魅力

The Economist 2012年12月1日号 松本清張「ペレスポリスから飛鳥へ」「火の路」 The Economistは英国ベースの、世界でもっとも重要な政治経済紙(週刊)の一つと見なされている。その表紙をはじめWits(知力)に富む記事は魅力的であり示唆的だ。 (一例:Jo…

【第218回】北京オリンピック開会式の「マスゲーム」

「100年の夢」光と影(2008年8月9日産経新聞一面) 2008/08/10記 8月8日の夜、第29回夏季オリンピック、北京大会の開幕式のTV中継を見た。最初はその規模、美しさ、演出に驚嘆し、「素晴らしい」を連発する解説者、アナウンサーの声に賛同していたが、…

【第209回】 日本主導で「オスロ合意」再構築を

2013年 10月 13日 熱く語る(元)交渉担当者 息詰まる交渉記録 真夏日。三連休の今、「オスロ合意検証」での討議も熱い。 国際ワークショップ「オスロ合意再考―パレスチナとイスラエルに与えた影響と代理案―」|NIHUプログラム・イスラーム地域研究東京大学…

【第208回】  中東和平に重大な握手

オスロ合意 (1993) オスロ合意検証 2013年9月 イスラエル、パレスチナ両大使の握手 この三つの写真は世界を揺るがす中東紛争の根にある「パレスチナ・イスラエル」の和平という観点からして象徴的である。 上は言うまでもなく、丁度20年前、1993年9月13日…

【第207回】 夜のBreakfast

Jul, 2013 ラマザーン明けの集まり 商社マンとしてサウディ・アラビアの首都リヤド駐在時のこと。スーク(市場)にオフィスがあるお客とアポイントが取れた。「11時に来てほしい」とのことだったので、約束当日、午前11時に行ってみると、店々のシャッターが…

【第206回】「反日」が過剰報道される上海を訪問 (2005)

上海の浅草、余園の父子 ,盛り場・南京路で繁盛する吉野家 人気のトローリーは「京都号」 2005/05/02 「余命長くない」と医者から宣言されたオヤジ。それは言わずに最後の思い出(筆者は上海生まれ。4歳まで)ということで、家族で上海行を計画した。 ところが…

【第204回】 中東和平対話を日本で(パレスチナ訪問記)

市民グループ 同会場にて Fayad首相インタビュー(松本道弘さん) 支援アラブ国への感謝演説 (2012年11月21日 JANJAN) パレスチナの独立記念日、11月15日、アバス議長(大統領)の招待による、青年の集まりに参加の市民グループに便乗して、夫婦でパレスチ…

【第199回】JANJAN過去記事から(1)トイレット・ペーパ騒

2011年3月19日 JANJAN過去記事から(1) 過剰報道こそ危機管理の敵 冷静さ忘れずに (現在、JANJANのリンクが現在できず、復旧を心待ちしてますが、その間、今回の地震・津波・原発事故に関連して、蓄積してあった過去記事を再現します) http://www.news.j…

【第198回】バーンスタイン没後20周年に向けて(下) 混迷社会へのアピール

2009年12月28日 バーンスタイン・NYフィルの「ヒストリック・テレビジョン・スペシャル」 前回記事: 【第197回】バーンスタイン没後20周年に向けて(上) 音楽映像のリリース - 浜地道雄の「異目異耳」 今日、中東問題を含めて世界は混迷状態。 本稿の…

【第197回】バーンスタイン没後20周年に向けて(上) 音楽映像のリリース

2009年12月28日 バーンスタイン・NYフィルの「ヒストリック・テレビジョン・スペシャル」 2009年、感慨深い年が去ろうとしている。 ボランティアで推進していたNYフィルによる「Young People’s Concert」が新鋭アラン・ギルバートによる指揮で実現し…

【第153回】「NYフィル・バーンスタイン・小澤征爾」 映写会 (於:NYC)

2011年9月10日 バーンスタインからバトンタッチされる小澤征爾 偉大な指揮者であり作曲家であった(故)レナード・バーンスタインの愛娘Jamieから「東北震災復興への願い」メッセージから届いた。 今秋完成予定の、NYフィルとの歴史的TV音楽番組日本語版シリ…

【第152回】マンハッタン北に眠る野口英世と妻メアリー

2008年3月11日 3月5日にニューヨーク北部のウッドローン墓地を訪ね、高峰譲吉と野口英世の墓を詣でた。いずれもアメリカ人女性と結婚し、ここに眠っているが、この2人のアメリカでの軌跡は、ロサンジェルス在住の作家飯沼信子氏の著述に詳しい。 NYマン…

【第151回】ニューヨークの京都御所風寝殿造り、そしてアメリカ橋

2008年3月15日 ウッドローンにある高峰家の墓廟(「高峰譲吉とその妻」より) 3月5日、マンハッタン北に眠る野口英世と高峰譲吉の墓に詣でた、と書いたが、実は当日、思いがけない氷雨で、徒歩では結局、高峰譲吉の墓には至れなかった。(右写真 上)それ…

【第150回】東京・恵比寿「亜米利加橋」たもとのBar「Cam」

American Bridge @恵比寿 2008年7月14日 魅惑の「亜米利加橋」ビル セントルイス万博(1904年)の橋を、当時の日本国鉄が買い取ってはるばる日本まで運んできて、1926年に設置した「アメリカ橋」。その歴史に改めて思いを寄せながら、カウンター越…

【第149回】「春の祭典」から「アラブ・中東の春(説の誤謬)」について (1/2)

2013年2月10日 2月9日、日経朝刊「ストラビンスキー」 ロシア人作曲家(後に米国に亡命)、イゴール・ストラビンスキー(Igor Fyodorovitch Stravinsky、1882 – 1971)によるバレー音楽「春の祭典」の初演(1913年、パリ)から今年で100年。 このことを記し…

【第148回】「サンディ」の米大統領戦への影響

2012年11月6日 フジサンケイ・ニュースより 何であれ「後だしジャンケンはすまい」というのが筆者の信条だ。 ということで、米大統領選挙(11月6日)の今、「オバマ再選」を願う思いを再掲する。 【第147回】9・11に思う ~ 来る米大統領選挙にむけて - 浜地道…

【第147回】9・11に思う ~ 来る米大統領選挙にむけて

2012年9月11日 ANN NEWSより 昨2011年、9・11の10周年にあたって、憲法第9条擁護の視点から、「日米同盟(即ち、軍事同盟)の深化」についての恐れを縷々記した。 9・11、10周年に憂う「日米同盟(=軍事)深化」論 - JanJanBlog そして、また、9月11日が巡…

【第146回】ハローウインの危険性

2012年11月2日 Halloween 月末(31日)、街を歩いていて驚いた。 大勢の可愛い子供たちが仮装で歩いている。今はやり(らしい)のハローウインの衣装でそれぞれ楽しそうだ。連れ添うママ(パパ)も、こころなしか、お洒落をして、誇らしげでもあり、楽しんで…

【第145回】「被ばく」って何?

2011年3月17日 原発事故の新聞見出し 広辞苑によると: 被曝:放射能にさらされること 被爆:爆撃を受けること。特に、原水爆の被害を受けること。放射能を受けること。 つまり、今回の福島原発事故による「被ばく」とは前者の被曝だ(exposure)。 両者は紛ら…

【第144回】池上彰氏の「2012年を読み解く~サウジアラビア」

2012年1月4日 米国NYマンハッタンでのOWS(Occupy Wall Street)運動に連動しての世界規模での格差是正運動⇒アラブの春という図式が巷間報道・解説されているが、筆者はそれに疑問を呈した。「1%の超富裕層がさらに富を増やす」ことへの非難もわかるし、7人…