浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

「JQR/IIST」掲載 (日本語English)

【第256回】 文化(文明でなく)の衝突 ― 勝てない戦い

寺子屋でコーランを学ぶ (サウジアラビア) 2005年9月15日 記 (貿易研修センター World Forum) 一体、文明が衝突するのだろうか?実は衝突するのは文化であり、この点を見極 めてないブッシュ政権の「武力戦略」が中東問題を泥沼化した。 2001年の9・11事件後…

【第255回】 「情報」: 情けに報いる

(1993年11月21日New York Times) 2004年8月2日 記 (貿易研修センターWorld Forum) 「はじめに言葉ありき」。(ヨハネ一章一節) この情報技術時代にあって、言葉はいよいよ重要な手段だ。そもそも「情報」という日本語、「情けに報いる」とは何と日本的表現だ…

【第251回】 あいまいなグリッサンド - 美しい文化について

百人一首 IIST World Forum 2003年12月15日 掲載 人間関係が重要な日本の社会。そこでは曖昧さは美徳ですらある。これを800年もの昔の皇女の悲恋詩になぞらえて解説する。 「玉の緒よ 絶えなば絶えね 永らえば 忍ぶることの 弱りもぞする」 という百人一首に…

【第95回】 「カーブ・ボール」の大罪

カーブボールが捏造した製造装置図 2015年11月1日 国連で演説を行うパウエル長官 カーブ=曲線。野球用語でいえばカーブ・ボール=変化球。 何でもないこの言葉が、実はISの台頭をはじめ、現下の中東混迷に至る2003年3月の米軍による「イラク侵略」を引き起…

【第94回】ラッピング広告東西比較

2014年8月1日 ニューヨーク地下鉄の車体ラッピング広告 その昔、JR (Japan Railway)は日本国有鉄道。つまり、利潤を追求しなくてもよい「官庁」だった。だが、民営化後、今は営利追求が目的の企業になった。と、今更のことを言うのも、昨年だったか、東京の…

【第93回】 ボストン・緑茶事件

2012年12月1日 Boston Tea Party (出典:Wikipedia) 世界史の授業で習うアメリカの独立革命の象徴的事件は「ボストン茶会事件」だ。 イギリス本国の植民地政策による高関税に抗議、急進派が、ボストンに停泊中のイギリス船に侵入して、東インド会社の船荷…

【第92回】ダルビッシュって誰?

ダルビッシュ店主人と(小伝馬町) 日本ハム時代(HPより) 東京・小伝馬町のイラン食材店「ダルビッシュ」のオヤジさん 2012年11月1日 NYCのトルコ・レストランDervish(筆者撮影) 「ダルビッシュ」と聞いて「野球選手」と答えられない日本人は多くはいない…