浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【第91回】 サッカリンの娘たち 〜 新年のきもちの良い話

2017年01月10日 サッカリンの娘たち(本人承諾済み) 新年、松の内、午後、快晴。所要で都内泉岳寺駅から、京浜急行下り特急に乗車。発車まもなく同じボックス席に座った二人の金髪娘が聞いてきた。「この電車はSky Treeに行くか?」とーー。え、まさに逆方…

【第90回】 魅力の「ナショ・ジェオ」

2017年01月10日 アフガニスタンの少女(出典:National Geographic) 今は昔のことだが、月刊「National Geographic:通称ナショ・ジェオ」誌を知って感動したのは忘れられないー。場所は中東アラビア。 石油担当商社マンとしてサウディ・アラビアに駐在時、…

【第89回】 ペトロ(ペテロ)岐部(1587〜1639) 〜 稀代のグローバル人

2016年12月20日 「和魂洋才」と「異文化理解」講演 何かと話題になる「グローバル化」「グローバル人材(育成)」そして、「言葉・英語力」。 が、そこに「ペラペラ度」以前に重要な「異文化理解」を忘れてはならない。即ち「(自分とは)異なる歴史、宗教、…

【第88回】 米大統領選に異文化Showを見る

2016年11月08日 英語) 浜地道雄・浜地絵里 (著) ヒラリー・クリントン候補の健康問題はともかく、ドナルド・トランプ候補の暴言の数々は従来のアメリカの規範、PC(Political Correctness)からすると考えられない現象だ。そのTV討論会などを見ているとまるでP…

【第87回】 the Americaがuniteする道 〜 愛と敬意

2016年10月21日 いよいよ注目の米大統領選挙が11月8日(4年ごとのうるう年、11月の最初の月曜日の次の火曜日)に迫った。 年初より続いてきた選挙運動だが、中でも注目を集めるTV討論会。民主党ヒラリー・クリントン候補も問題を抱えてるが、共和党ドナルド…

【第86回】 「国際NGO」のTie

2016年09月20日 国際NGOのTie 米国で商用インターネットが始まったのは1988年。「情報時代」の夜明けに転職した筆者にとってのビジネス原点はデータベース=DB(DataBase)、即ち、コンピュータによる諸資料の管理・運用だった。 赴任先NYCでの思い出深い仕…

【第85回】 番外編「赦しのこころ」こそ世界平和への第一歩

モンテンルパ収容所近くの日本人墓地(2016年2月、筆者撮影) 2016年08月26日 キリノ大統領の記念碑 本年一月、天皇・皇后はフィリッピンを訪問、キリノ(元)大統領の孫娘に会われた。参照:両陛下と懇談するルビーさん(時事通信) そのキリノ(元)大統領…

【第84回】 JETに想う 人のつながり

2016年07月19日 「ああ、日本っていいなあ」と思う場の一つが温泉だ。 それも都心に温泉銭湯(public bathhouse)があり、時に訪れリラックスする。湯がコーヒーのような褐色で本当に温泉なのだろうと悦にいってる。 某日、どうしたことか、そこに金髪碧眼、ま…

【第83回】 番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演

2016年07月11日 【第83回】番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演 以下、許可を得て、同会の報告を記します。「当研究所でこのような内容が語られる事は初めてでもあった」とのこと。 折しものダッカ・ISテロ事件で、「コーランを知ってるかどうか」が殺…

【第82回】 オバマ米大統領広島訪問に学ぶ

2016年06月03日 5月27日、広島におけるオバマ米大統領のイベント・セルモニーは僅か50分だったが感動的だった。 そこではビジネス上も重要な「スピーチ」「プレゼン」また「異文化理解」の示唆を見ることができる。 17分のスピーチが終わった後、オバマ大統…

【第81回】 「バーカー」の愉しみ

2016年04月25日 出典: NY Times via Trainjotting さあ、緊張の一日、仕事が終わった。「お疲れ様」と、これは中々英語にしにくいがまあ一応Good work we did! そこで、ちょっと近所で一杯といきたいところだが、ここはNYCのマンハッタン。Japanese-Style B…

【第80回】 「意図的誤訳」の既成化〜広島宣言に思う

2016年04月19日 4月11日、主要7カ国(G7)広島外相会合で採択された「広島宣言」において、「意訳」が見られた。原文ではimmense devastation and human suffering(甚大な破壊と人間の苦しみ)とあるのを、日本語では「非人間的苦難」と発表している。 …

【第79回】 映画「Steve Jobs」に想う

2016年03月07日 映画「スティーブ・ジョブス」のスティールより 本稿を書いているのは、2016年2月29日だ。うるう年。 改めて、スティーブ・ジョブスによるアップル機の開発、披露。1984(ロス五輪)を中心に、歴史的に興味深いストーリーを思いだしている。 …

【第78回】 新年に思う接頭辞「A」

2016年01月13日 New Year! 新しい年の始まりだ。新約聖書によると「始めに言葉ありき In the beginning was the Word」(ヨハネ伝John 1:1)。ということで、本稿もことばの確認から始めよう。 そもそもと改めて考えると、1月は年の最初(First)の月なのか?…

【第77回】 Globish® + ESP = 仕事で使える英語

2015年12月01日 1500語で通じる非ネイティブ英語 グロービッシュ入門 某年某日、所用で都内のあるオフィスビルを訪ねた。その際、ロビーで「Globishセミナー」というポスターが気になった。何かと思って会場を訪ねると、「Global + English=Globish」で、即…

【第76回】 大雑把なBall Park Figure

2015年11月16日 多々ある球技(Ball Game)でも、米国でBall Gameというと野球(Base Ball)を指す。 その野球場(Ball Park)での応援は、日本でのように太鼓にラッパで大音響をということはなく、大事な場面では、万の客がシーンとなり、返って緊張感が増す…

【第75回】 「番外編」イスラムを知らずして世界は語れない

2015年09月02日 何故英語(ことば)を学ぶのか?「異文化理解の為」。その異文化のうち、日本人にはなじみがなく、他方、世界人口の1/5以上とも言われるイスラム教を検証してみた。 はじめに: 「コーラン」井筒俊彦 (岩波文庫) 「9・11事件を予見した」と…

【第74回】 Proactive考 〜 安倍首相の米議会演説に見る「意図的誤訳」

2015年06月08日 ヘンデルのオラトリオ「メサイアMessiah救世主」は歌詞が英語(古語)ゆえ、勉強になる。聖書The Book of Common Prayerからの聖句をなぞっての壮大な音楽の流れは感動的だ。 ヘンデル「メサイヤ」 Wikipediaより その第二部最終の「ハレルヤ…

【第73回】 Speak-up ⇒ Engineering (創造)

2015年05月14日 日本経済新聞社の朝刊連載コラム「私の履歴書」は、各界で名を挙げ功をなした人の赤裸々な個人情報も含む文字通りのPersonal History個人史だし、résumé(仏)或いはいわゆるC.V.ラテン語のCurriculum Vitae人生の物語だ。 本年2月に連載の重…

【第72回】 同時通訳の大御所、逝く

2015年03月30日 同時通訳の草分け、國弘正雄氏が亡くなられた(2014年11月25日)。筋金入りの護憲派(憲法九条)であられた。来る4月7日の「偲ぶ会」(於:国際文化会館)を前に、同氏へのインタビュー(2007年9月4日。於:国際文化会館)をここに再現する。…

【第71回】 Lay Down Your Arms 〜 ノーベル平和賞・憲法九条

2015年02月10日 何故英語を学ぶのか? 〜 世界平和のために!その原点は「異文化、異宗教=自分とは違うのだということの理解」だ。参照:イスラームの理解 Alexis Dudden教授 ビジネスマンとして、中東(イラン、サウディアラビア)、及び米国(NYC)で生活。…

【第70回】 「First Name」で呼び合える仲?

2015年02月06日 ハンガリーの墓碑(Wikipediaより) 今は昔、よき時代(?)のイラク、長期出張中のバグダッドのホテルでハンガリー青年歌舞団と一緒だった。当時の社会主義国間での文化交流だったのだろう。 持参してたクラリネットで合奏したり、英語は通…

【第69回】 英語ができるようになった瞬間!?

2015年01月15日 ウドウロク by 有働 由美子。詳細はこちら。 有働由美子さん。言わずとしれたNHKの人気アナウンサーだ。その有働さんが初めて本「ウドウロク」(新潮社)を出したというので早速読んでみた。45年(と自分で書いてる)の人生での特記事項は3年…

【第68回】 集団的自衛権=憲法九条違反 〜 英語教育の観点から

2014年11月30日 本欄は政治論議が目的ではない。が、日本の同時通訳の草分け、國弘正雄氏逝去(11月25日)にあたり、やはり書いておかねばならない。 英語教育の目的は「平和構築」という観点からーー。 参照:何故英語を学ぶのか 〜 世界平和のために!参照…

【第67回】 PeaceとPacifist 〜 ビジネスも平和が前提

2014年11月28日 ノーベル賞 10月10日、ノーベル賞平和賞が発表された。日本の報道では賛同一色だが、元々、「子供たちを救う・人権」はA.ノーベルの遺志には入ってないゆえ、多分に政治的考慮(パキスタン・インド)だと、異論は少なくない。 筆者は、石油担…

【第66回】 「イギリス」という国は存在しない?!

2014年09月17日 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland 名は体を表すNames and natures do often agree。ビジネス上「相手を知る」のはだいじだが、ことに国名は治政・歴史に直結し、興味深い。記憶に新しいFIFA(Federation International …

【第65回】 「East is East」か「East is West」か?

2014年08月20日 エフェソスとイズミールの位置 神秘的な黒海の周辺は複雑な治政の交差地だ。北側はクリミアを含むウクライナで、ソチ冬季五輪以後、思わぬ紛争に発展していった。そして、南側はトルコ。違う様相で異文化が絡み合う。黒海の出口、イスタンブ…

【第64回】 パルムの焼印(Brand)

2014年07月01日 パルムの焼印 「赤字か黒字か」はビジネスにとって究極の課題だが、フランスの文豪スタンダールの小説「赤と黒」は野心に満ちた青年の悲劇。赤は軍服、黒が法衣という当時の社会情勢のシンボル化Metaphorだ。これはまだわかり易いが、同じス…

【第63回】 Flowerの華々しいグローバル化

2014年05月28日 Rose Scepter'd Isle バラ セプタードアイル by T.Kiya, on Flickr 米国は車社会だ。そこで質問:「米国の国花は?」。こういうRiddle(なぞかけ)は、英語力に直結しており、我々Non-Nativeには中々難しい。が、Car-Nationと答えられれば上…

【第62回】 「ビジネスも平和が前提ですね」

2014年04月24日 ノーベル委員会受付の確認書 【第57回】 何故英語を学ぶのか ~ 世界平和のために! - 浜地道雄の「異目異耳」 「九条にノーベル平和賞を」記事(東京新聞、1月3日号)に接し、「頭をガーンと殴られるほど」に衝動を受け、触発され、年初から…