浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【第61回】 ソチはどこじゃ? 〜 黒海を巡りODESSAに至る

2014年04月07日 ソチの地図:日刊スポーツから転送。 世界に「色」のついた海、紅海、黄海、白海などあるが、黒海ほどその名に相応しい海はなかろう。そのほとりに立つと、確かに黒く深いという印象。と同時に多様な文化・文明が歴史上絡み合って、まるでBla…

【第60回】 「憲法九条にノーベル平和賞を」に賛同してくれたチョムスキー教授

承前: 【第59回】 チョムスキー教授来日講演 〜 世界平和への共鳴 - 浜地道雄の「異目異耳」 2014年03月07日 チョムスキー教授。本人許可を得て、筆者撮影。 何故英語を学ぶのか? 〜 世界平和のために! これ以外にない。「戦争を二度とするまいという願い…

【第59回】 チョムスキー教授来日講演 〜 世界平和への共鳴

2014年02月03日 チョムスキー言語基礎論集 (福井直樹編、訳:岩波書店) マサチューセッツ工科大学(MIT)のノーム・チョムスキー名誉教授はすぐれた言語学者である(生成文法を創始した科学者)。その高邁さ(と同時に筆者にとっては難解さ)と世界の言語…

【第58回】 新年 〜 馬脚を表わさないように

2014年01月30日 出典:bizocean 2014年の幕開け。平成26年、干支(えと)は「午(うま)」だ。「牛とどう違うのか?」と駐日サウディ・アラビア大使(早稲田大学卒、日本語堪能)に聞かれた。「うん、角(つの)が無いのだ」と答えたが、納得してもらえたか…

【第57回】 何故英語を学ぶのか ~ 世界平和のために!

2014年01月15日 現駐日サウディアラビア大使とともに 某年。国際会議「異文化理解教育フォーラム」から帰国された鳥飼玖美子教授(立教大学大学院)のことばが忘れられない。そこで討議されたのは「言語・異文化を学び、尊重することは、戦争を二度とするま…

【第56回】 What is スジャータ? 〜 インド人がびっくり

2013年12月03日 画像:スジャータの乳粥(ちちがゆ)。出典:いたたた・・タイ 某年、場所はインドのボンベイ(今のムンバイ)。日本の財界大物が来印、同地の商工会で歓迎会が開かれた。挨拶に立った同氏がこう始めた。「このお釈迦様の国。仏教の国に来れ…

【第55回】 使える英語、教養、地域研究 〜 グローバル人材の要件

2013年10月07日 (右から)パネリスト:名古屋外国語大学長 亀山郁夫氏文部科学省審議官 坂東久美子 氏三菱商事取締役会長 小島順彦 氏東京工業大学教授 池上 彰 氏 10月2日、日本経済新聞社主催の「大学改革シンポジウム・成長戦略における グローバル人材…

【第54回】 Charisma講師、「実用英語推進」へ

2013年09月13日 英語は音読で伸ばせ! 子どもを英語好きに変える、中学からの勉強法(著:安河内 哲也) 「只管音読」!?と、言われても、わからない。「ヒタスラ音読」、即ち、英語の上達の鍵だ、と英語教育の大御所(同時通訳)の国広正雄氏から伺ったのは…

【第53回】 BulbのBubble

2013年08月02日 スレイマン1世 (Wikipediaより) 1620年代、オランダ人が米東海岸マンハッタンに植民拠点を建設開始、今は黒人文化の拠点となってる地区をHarlemと名づけた。その「本家」はHaarlemだ。(トルコ語の「後宮」はHarem)。首都アムステルダムから…

【第52回】 Dance Until It Rains  成功の秘訣

2013年06月20日 Singin' in the Rain - 雨に唄えば(Wikipediaより) 6月。雨の季節だ。 Rainにまつわる米国の習慣で興味深いのはRain Check(=小切手)。野球など野外スポーツ観戦で雨天中止になった時に、客に配る「次回に使える無料入場券」。 そこから転…

【第51回】 緊急提言 〜「大学入試にTOEFLなどを」*の検証を

2013年05月07日 自民党の遠藤利明教育再生実行本部長(左から2人目)から提言書を受け取る安倍首相(出典:共同通信) 4月8日、自民党の教育再生実行本部(本部長:遠藤利明衆議院議員)が安倍首相に「大学入試にTOEFLなどを」*という提言を提出した。参照…

【第50回】 Springに思う「ワシントンの春」と「アラブの春」

2013年04月17日 ジェファーソン記念館(合衆国の首都ワシントンD.C.)出典:jijicom 春、Spring。 Freshman(Freshwomanとは言わない。女性がたお許しを)=新入生・新入社員の季節。苦しかった受験勉強、就活を経て、初々しい初日を迎え、まさにSpring(跳…

【第49回】 Pinchはチャンス

2013年02月20日 Pinch → Dimple 承前:「1Q84年」 ロサンジェルスでのニューメディア実験にあたり、危惧されたのは「画面を指でタッチ」する行為だった。手垢で画面が汚れ、従い、感度が鈍るかもしれず、「神聖な画面を汚してはならない」といった思いでもあ…

【第48回】 E Pluribus Unumの勝利

2013年01月10日 am(午前)、pm(午後)、AD(紀元前)、PS(追伸)、CV(履歴書)。これらの普段使いなれた「記号?」はラテン語だ。etc(et cetera)の「et」は「and」そして「cetera」は「他の」を意味する。status quoの「quo」は「of which」、つまり「th…

【第47回】 Explosion = Exposure = 被ばく!?

2012年11月05日 「=」「≠」マークは筆者が付けたものです 昨2011年9月17日。NYマンハッタンの最南地区、WTCビル(跡)に隣接するズコッティ公園に「We are 99%」を掲げるOWS(Occupy Wall Streetウオール街を占拠せよ)運動が発生した。 あたかも街全体が占…

【第46回】 番外編 日中国交回復40周年

2012年09月26日 写真:使節団歓迎会。中曽根康弘通産大臣(科学技術庁長官兼務)や中日友好協会の孫平化氏、田川誠一衆議員らの姿が見える。(西条正「二つの祖国をもつ私」:中公新書p65) 1972年9月29日。この日は忘れられない。商社マンになって初めて仕…

【第45回】 FRIDAYと月曜日の関係

2012年08月20日 TGI Friday's ロゴ 土曜日の朝、マンハッタン、セントラルパーク。 快晴。 「Oh, what a beautiful morning!」とミュージカル「オクラホマ」の一節が口に出てくる。向こうからきた男性に「カメラのシャッターを押してくれないか?」と気軽に…

【第44回】番外編 ENGLISHNIZATION ~ 「(仕事で)使える英語」の壮大な実験

2012年07月03日 予約注文をしていた「たかが英語! ENGLISHNIZATION」(三木谷浩史、講談社)が届き、早速読んだ。 ドキドキしながら、しかし、全189ページをスラスラと小一時間で読み切れた。 まさにこの「グローバル化待ったなし」の日本にあって、その重…

【第43回】 「1Q84」年:Appleの挑戦

2012年06月12日 "1984" by George Orwell 4で割れる年(leap year=閏年)はオリンピックの年であり、米大統領選の年でもある。 1984年、米ロサンジェルスでの第23回夏季オリンピックはキナ臭かった。前回1980年のモスクワ五輪では、その前年のソ連のアフガ…

【第41回】 「Jobsの本」と「Jobの本」

2012年04月09日 The Economist: The Book of Jobs 「iSteve: The Book of Jobs」。昨年10月に亡くなったアップル社の創業CEOだったSteve Jobsの伝記の予稿タイトル*にハタと膝を打った。「The Book of Job(‘s’無し)」、即ち聖書の「ヨブ記」との見事なpu…

【第40回】 番外編 「英語化が成功したら日本に対する最大の貢献」

2012年02月27日 週刊東洋経済(2011年3月25日)より 明治維新以来と言わずとも、戦後日本の経済発展、世界における地位向上を考える時に、「国際貿易」での競争力が原動であったことは誰も否定できなかろう。 筆者は、TPP賛否で国を二分して激論が戦わされる…

【第39回】 All Japanese でTranslate

2012年02月16日 映画「Lost in Translation」 It’s all Greek to me. 「それは私にとってギリシャ語だ」と言っても 何のことか分からない。無理もない。シェークスピアの戯曲 「ジュリアス・シーザー」 の中で陰謀加担者Caskaが使ったこの言葉は、要するにチ…

【第38回】 二面性のJanuary

2012年01月10日 古代ローマの神ヤヌス カレンダーをめくり新年。日本人にとっては気持ちの引き締まり、かつ、希望をもつ晴れやかな思いのときである。 しかし、日本以外では、年末から年始にかけての様相は大分異なる。米国では感謝祭(11月の第四木曜日)に…

【第37回】 TPPで、英語力不足がやり玉に?

2011年12月08日 国を二分するTPP論議において、貿易・関税と並び、「非関税障壁」ということで、日本の英語力不足が「やり玉」に上がる、という言説を知り、驚いた。結果、日本が米国の属国的「フィリッピン化」する、という論も見られる。 つまり、ハゲタカ…

【第36回】 番外編 「ブータンに日本の英語教育の光明を見る」

2011年11月28日 新婚一か月という国賓ブータン国王夫妻が日本に爽やかな旋風を運んでくれた。 国民総生産(GDP)という経済的な指標では測れない幸福度指数、GHN「Gross National Happiness」。国民の95%が幸せと思う人口70万人(九州位の土地)の小さな国…

【第35回】 Spamでなく Hamを!

2011年11月08日 米コネティカット州はNew Englandだという。NY赴任にあたり、その一言に刺激され、しかも電車で一時間という通勤圏内ということで、緑あり海ありの美しいStamford市近郊に居を構えた。 日本語表記は(スタムフォードではなく)スタンフォード…

【第34回】 番外編「踊る大紐育(ニューヨーク)」

2011年10月19日 本稿シリーズの第一回では「世界を変えるTicket」を取り上げた。世界に影響がある米国の大統領選挙の仕組みの重要要素だ。苦悩のオバマ政権の行方を巡って、いよいよ緊張の選挙戦が水面下で加速しつつある。 さて、そこで、取り上げたのは映…

【第33回】 「てふてふ」の韃靼雄飛

2011年09月02日 2005年、愛知万博。そのサウジアラビア館の設営準備で25年ぶりに、懐かしの地を訪ねた。見事に変貌した首都リヤドだが、旧市街や住んでいた地区は変わりなく、まさに夢のようだった。 打ち合わせのあと、皆で日本料理店で会食の時、隣にディ…

【第32回】 Force Majeure:偉大な力

2011年07月21日 「想定外」。この言葉は今や禁句のようだ。しかし、アラビア(イスラム)文化におけるIBMは「神ならぬ身、人間」の限界を言い表している。I=インシャーラ―(神のみぞ知る)、B=ブクラ(明日)、M=マレシュ(仕方がない)。つまり、人知を…