2014年02月03日
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チョムスキー言語基礎論集 (福井直樹編、訳:岩波書店) |
マサチューセッツ工科大学(MIT)のノーム・チョムスキー名誉教授はすぐれた言語学者である(生成文法を創始した科学者)。その高邁さ(と同時に筆者にとっては難解さ)と世界の言語学会に対するインパクトは大津由紀夫明海大学教授はじめ、多くの専門家から、つとに聞いているところであった。
同時に、人間の尊厳・自由を守るための活動を精力的に続ける知識人でもある。
同教授のSyntax (統語論)、Semantics(意味論)、Phonology(音韻論)といったことばを聞いたのは名指揮者(故)L バーンスタインの「ハーバード音楽講義」でだった。
参照:バーンスタインを巡るRight
そこで、バーンスタインとチョムスキーの交友関係を知った。両者(出自は共にユダヤ人)は「世界平和」を願い、実践する行動家でもある。
さて、「何故英語を学ぶのか 〜 世界平和のために!」を標榜する筆者は、
「憲法九条にノーベル賞を」という運動を知って(1月3日号「東京新聞」)、頭をガーンと殴られる思いだった。
参照:何故英語を学ぶのか 〜 世界平和のために!
天木直人氏のメールマガジン1月5日号には「憲法9条を守る最強の手段はこれだ!」とあった。
早速ノーベル委員会(オスロ)のサイトを調べると、賛同者を集めることもさることながら、最重要点は「有資格推薦者(国会議員、大学教授など)」を探し、彼らに対して「推薦」をしてもらうことである。 参照:Nomination and Selection of Peace Prize Laureates
それも、締め切りは(毎年)2月1日! 「実行委員会」とも連絡をとりつつ、慌てて内外の「有資格者」と思しき人々に呼びかけた。
中に、件(くだん)のチョムスキー教授から「wonderful idea」との賛同返信が来たのに 大いに励まされた。
頭記のごとく、言語学者である同教授はまた「平和思想家」として著名である。
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中東虚構の和平(中野真紀子訳:講談社) |
その話を吉田研作教授(上智大学)にしたのは、安河内哲也氏(東進ハイスクール)の主宰する「英語教育を語る会」(1月19日)でだった。
そこで、吉田教授の「そのチョムスキー教授は3月上旬、来日、講演をします」というひとことに驚いた。
追って、チョムスキー教授からも連絡があり、3月5日、6日、講演と判明した。
参照:ノーム・チョムスキー教授講演会
準備委員会(福井直樹教授)からの案内はこうだ:
「(チョムスキー講演は)欧米では1971年にケンブリッジ大学で行なわれた有名なバートランド・ラッセル(記念)講演を初めとして数多くありますが、日本に於いては最初の(そしておそらく最後の)ものとなります。」
そこでまた調べると、なるほど意義ある講演と認識できる。
参照:N.チョムスキー(著)『知識と自由(ラッセル記念講演)』訳者あとがき
(といっても、筆者には難解と白状せねばならないが)
筆者のレベルでは拙稿中ほどの「ラッセル・アインシュタイン声明」がわかり易い。「世界平和」へのメッセージは明白だ。
参照:テロ事件の現場 ラッセル・スクエア
新年早々、「世界平和」を目指して何かが共鳴して、(筆者の頭のなかで)グルグル回るごとき一ヶ月だった。
極めて意義深いチョムスキー講演。今から楽しみである。