浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【第180回】Annus HorribilisからAnnus Mirabilisへ

2020年12月28日 英英辞典から 2020年、コロナパニックの年だった。 コロナは本当に怖いのか? ~ナイトの「不確実性論」から見る Annus (年) Horribilis(ひどい)。ラテン語を思いだす。 1992年11月24日、英国エリザベス女王が戴冠40周年で、ギルバートホー…

【第153回】「NYフィル・バーンスタイン・小澤征爾」 映写会 (於:NYC)

2011年9月10日 バーンスタインからバトンタッチされる小澤征爾 偉大な指揮者であり作曲家であった(故)レナード・バーンスタインの愛娘Jamieから「東北震災復興への願い」メッセージから届いた。 今秋完成予定の、NYフィルとの歴史的TV音楽番組日本語版シリ…

【第152回】マンハッタン北に眠る野口英世と妻メアリー

2008年3月11日 3月5日にニューヨーク北部のウッドローン墓地を訪ね、高峰譲吉と野口英世の墓を詣でた。いずれもアメリカ人女性と結婚し、ここに眠っているが、この2人のアメリカでの軌跡は、ロサンジェルス在住の作家飯沼信子氏の著述に詳しい。 NYマン…

【第151回】ニューヨークの京都御所風寝殿造り、そしてアメリカ橋

2008年3月15日 ウッドローンにある高峰家の墓廟(「高峰譲吉とその妻」より) 3月5日、マンハッタン北に眠る野口英世と高峰譲吉の墓に詣でた、と書いたが、実は当日、思いがけない氷雨で、徒歩では結局、高峰譲吉の墓には至れなかった。(右写真 上)それ…

【第150回】東京・恵比寿「亜米利加橋」たもとのBar「Cam」

American Bridge @恵比寿 2008年7月14日 魅惑の「亜米利加橋」ビル セントルイス万博(1904年)の橋を、当時の日本国鉄が買い取ってはるばる日本まで運んできて、1926年に設置した「アメリカ橋」。その歴史に改めて思いを寄せながら、カウンター越…

【第149回】「春の祭典」から「アラブ・中東の春(説の誤謬)」について (1/2)

2013年2月10日 2月9日、日経朝刊「ストラビンスキー」 ロシア人作曲家(後に米国に亡命)、イゴール・ストラビンスキー(Igor Fyodorovitch Stravinsky、1882 – 1971)によるバレー音楽「春の祭典」の初演(1913年、パリ)から今年で100年。 このことを記し…

【第148回】「サンディ」の米大統領戦への影響

2012年11月6日 フジサンケイ・ニュースより 何であれ「後だしジャンケンはすまい」というのが筆者の信条だ。 ということで、米大統領選挙(11月6日)の今、「オバマ再選」を願う思いを再掲する。 【第147回】9・11に思う ~ 来る米大統領選挙にむけて - 浜地道…

【第147回】9・11に思う ~ 来る米大統領選挙にむけて

2012年9月11日 ANN NEWSより 昨2011年、9・11の10周年にあたって、憲法第9条擁護の視点から、「日米同盟(即ち、軍事同盟)の深化」についての恐れを縷々記した。 9・11、10周年に憂う「日米同盟(=軍事)深化」論 - JanJanBlog そして、また、9月11日が巡…

【第146回】ハローウインの危険性

2012年11月2日 Halloween 月末(31日)、街を歩いていて驚いた。 大勢の可愛い子供たちが仮装で歩いている。今はやり(らしい)のハローウインの衣装でそれぞれ楽しそうだ。連れ添うママ(パパ)も、こころなしか、お洒落をして、誇らしげでもあり、楽しんで…

【第145回】「被ばく」って何?

2011年3月17日 原発事故の新聞見出し 広辞苑によると: 被曝:放射能にさらされること 被爆:爆撃を受けること。特に、原水爆の被害を受けること。放射能を受けること。 つまり、今回の福島原発事故による「被ばく」とは前者の被曝だ(exposure)。 両者は紛ら…

【第144回】池上彰氏の「2012年を読み解く~サウジアラビア」

2012年1月4日 米国NYマンハッタンでのOWS(Occupy Wall Street)運動に連動しての世界規模での格差是正運動⇒アラブの春という図式が巷間報道・解説されているが、筆者はそれに疑問を呈した。「1%の超富裕層がさらに富を増やす」ことへの非難もわかるし、7人…

【第143回】「仕事で使える英語」への提言(後) スピーキングテストVersant

2011年5月12日 英語が「話せない」で不自由したと語る益川教授 (NHK-TV) 承前 【第142回】「仕事で使える英語」への提言(前) Globish (Global English) - 浜地道雄の「異目異耳」 「適正な測定なくして改善なし」。 品質管理を中心に、戦後の日本企業復…

【第142回】「仕事で使える英語」への提言(前)Globish(Global English)

2011年5月11日 「世界のグロービッシュ」「国際共通語としての英語」 グロバライゼーション、国際化と叫ばれて久しい。しかし、その要素の一つである英語力も含めて、いまだ実現には程遠いのが現実である。 小学校英語問題も含めて、盛んな議論が賛否にわか…

【第141回】ブータン国王・王妃に学ぶ「国のかたち」

2011年11月20日 国会演説(民主党サイトより) 新婚一か月という国賓ブータン国王夫妻が日本に爽やかな旋風を運んでくれた。 国民総生産(GDP)という経済的な指標では測れない幸福度指数、GHN「Gross National Happiness」。国民の95%が幸せと思う人口70万…

【第140回】リンカーン・センター(NYC)で遭遇した「西東協演」

2011年10月18日 Young People's Concert (承前) 【第138回】ミュージカル「踊る大紐育」主役を訪ねる(NYC) - 浜地道雄の「異目異耳」 【第139回】「NYフィル、バーンスタイン・小澤征爾」映写会報告 - 浜地道雄の「異目異耳」 映写会(9日)はうまく行っ…

【第139回】「NYフィル、バーンスタイン・小澤征爾」映写会報告

2011年10月15日 Palay Center 10月9日(日曜日)、NYマンハッタン・ミッドタウン、Paley Centerでの「NYフィル、バーンスタイン・小澤征爾」の映写会を主宰した。(協力:ドリームライフ・クラシックス) 【第153回】「NYフィル・バーンスタイン・小澤征爾」…

【第138回】ミュージカル「踊る大紐育」主役を訪ねる(NYC)

2011年10月16日 「I’ve been her husband for 70 years. 私は(1943年以来)70年近く彼女の夫だ。」 東京から、NYマンハッタンのソノ・オーサト女史宅への電話に出た男性へ「どなたですか?」と尋ねた筆者への言葉だ。 そう、あのソノ・オーサトの自叙伝に「…

【第137回】2011の終わりに ~「たくましい日本」へ

2011年12月31日 Midtown New York 年末、2011年の最後にどうしても書いておかねばならない。 まずは、9月17日に米NY市のウォール街近く(WTCの近くでもある)の「ズコッティ公園」にて発生、日本を含む世界に発展したと言説されるOWS(Occupy Wall Streetウ…

【第136回】英語教育を変えるのは今しかない!〜「英語を教える」から「動機付け」へ

2013年5月18日 国際ビジネス・コンサルタントで、文教大学国際学部で非常勤講師(3月まで)も務めた浜地道雄氏。 イスラム文化圏から米国の情報ビジネスの経験と、教育現場両方から見ている浜地氏に日本の英語教育の向かうべき方向についてお話しを伺った。 …

【第135回】プロから学ぶ英会話の勉強方法

2010年12月10日 オンライン英会話PIKTではこれから数回にわたり、“英語のプロ”といわれる、著名な方々に頂いた、英語学習者へ向けたメッセージをお届け致します。第二回目 文教大学国際学部非常勤講師 国際ビジネス・コンサルタント浜地 道雄様です。先日、…

【第134回】ビンラーデン殺害に犬が活躍!!

2011年5月8日 米軍部隊によるビンラーデン殺害作戦は領域侵犯ではないのか?という問題提起をしたところで、またまた驚愕した。 その作戦に軍用犬が活躍、というのだ。(ロイター・産経) 「作戦決行後、オバマ大統領との面会も果たした」とのことだから、英…

【第133回】「サムライ精神」と英語

2005年11月16日 「グローバル・コミュニケーションと日本人の英語」 11月8日に行われた朝日新聞と早稲田大学の共催による「グローバル・コミュニケーションと日本人の英語」フォーラムは、国際活動の場における英語の必要性という角度からのセッションで…

【第132回】グロービッシュ®提唱者、ネリエール氏の歓迎会

2011年7月31日 写真左から:白崎善宏GHDJ理事長、明石康氏、鳥飼玖美子氏、ネリエール氏 GlobishとはGlobal English。 1,500の英語単語を核として、「英語基礎力」を磨こう、という運動だ。 勿論、それにとどまることなく、各自の分野に応じて、専門性を加え…

【第131回】スターバックスコーヒーとジョン万次郎の意外な関係

2009年5月07日 英語版「Starbucks and John Manjiro」(拙著:第14章) JANJAN伊吹春夫記者の「愛知県田原市にもいたジョン万次郎」は興味深いヒューマン・ドラマだ。 本記事によると勇次郎(21歳)、作蔵(21歳)の二人は、1852年(嘉永5年)ア…

【第130回】アフガニスタン侵攻失敗の教訓・ハッサーニ氏の思い

2007年1月16日 NHK教育(ETV)より ハッサーニ氏は現在、政治亡命者、難民としての 生活を余儀なくされているが、奥方と5人の子供らと共に、千葉県四街道市でアフガニスタン料理店を経営、未来を目指している。 1月13日、土曜日、午後10:00-11:…

【第129回】元アフガン大使、難民状態から永住権へ!

2005年6月7日 アフガニスタンの繁華街、男性一色 (浅井聡氏撮影) 9.11以後、アフガニスタンという言葉がメディアに登場するのに、日本人はどれだけ同国を理解しているだろう?元アフガン大使の日本での難民生活を知って驚愕した。 9.11以後、これ…

【第128回】米ラトガース大学の明治期留学生

2009年11月3日 ラトガース大学の日本人留学生(1872)。 「黄金のくさび」飯沼信子著 P.49 在ロサンジェルスのノン・フィクション作家 飯沼信子さんの著作には明治初期以後、海を渡った先達のロマンに満ちた知られざる人間物語(実話)が多く、惹かれ…

【第127回】清水、次郎長、英語力

2006年6月14日 街道一の親分(次郎長通りの生家で) 6月12日は幕末、明治の侠客、清水次郎長こと、山本長五郎(1820-1893)の命日である。 広沢虎造の浪花節で有名な「街道一の親分」はずいぶん波乱に飛んだ 人生を送ったようだ。ただ、『東海遊侠傳』の咸…

【第126回】Vassarに訪ねる ~ 明治期の少女留学生

2013年8月26日 Shigeko Nagai(同校サイトより) 米NY州、マンハッタンから車(電車)でハドソン川沿いに約二時間北上。 ポキプシー (City of Poughkeepsie, New York) に至る。 風光明媚なダッチェス Dutchess (元々ダッチ=オランダ人入植地) 郡都だ。 人…

【第125回】イスラームの花嫁(アフガン難民)

2005年7月7日 毎日5回のお祈りと、コーラン読書を欠かさない 9.11 以降の中東情勢は、身近な人間を知ることでより理解できる。典型的な例が2人のアフガニスタン難民。壮絶な人間ドラマがそこにある。 9.11 以後の中東情勢については、もうあふれるばかりの…