2011年5月11日
「世界のグロービッシュ」「国際共通語としての英語」 |
グロバライゼーション、国際化と叫ばれて久しい。しかし、その要素の一つである英語力も含めて、いまだ実現には程遠いのが現実である。
小学校英語問題も含めて、盛んな議論が賛否にわかれるが、ここでは「仕事で使える英語」について、論議をしたい。
折しも、ファーストリーテイリング・ユニクロ(柳井正社長)と楽天(三木谷浩史社長)が「社内英語公用化」を発表したところから、英語熱が盛んになり、巷の書店では関連書籍が並び、売れている。
「グローバル人材育成」、「語学(英語)教育」と言ってもある日突然に上達するものではない。「英語論論争から」30年、日本人の英語力が上がったということはないわけだから、この観点からも、今から将来にむけての指針を示し、行動し、実現に向かうということで、大歓迎である。
http://allabout.co.jp/gm/gc/59933/
そこで、筆者がずっと観察し、信念をもってライフワークとも思う二つの「ツール」、グロービッシュ® Globish及び英語スピーキングテストVersantを紹介し、「仕事で使える英語」への大胆な提言としたい。 (筆者はその利害関係者である。公正を期すため、為念)
まず、グロービッシュ® Globish= Global Englishについて:
鳥飼玖美子さん(立教大学院)と言えば優れた日本の同時通訳者の一人である。
http://janjan.voicejapan.org/culture/0709/0709031731/1.php
その鳥飼氏の最近著「国際共通語としての英語」(講談社現代新書)を読んでハッと思った。あの英語の達人が主張してるのは「通じる」英語を目指す!というのだ。 中身は濃いのでひとことでは言えないが「まとめに代えて」にこうある。
1)「英語はツール」「コミュニケーションはスキル」という言説は疑うべき。どの言語も独自の言語世界を有しており、それぞれに難しい。
2)難しいからと言ってあきらめることはない。国際言語として習得するという方向を見定め、英語学習の目的と 内容をみなおしたらどうか。
そこで、筆者は我田引水。この「国際語としての英語」にはGlobish (Global English)が一つの有力な方法ではなかろうかと膝を打った次第。
グロービシュ®の国内普及を図ってる一般財団法人グローバル人材開発のURLによるとこうだ。 http://www.ghd.or.jp/edc/#globish
「世界中の人にとってのコミュニケーション・ツールとしての共通言語となることを目指して、フランス人のジャン・ポール・ネリエール氏により開発された言葉です。 基本的な英語の文法と限られた単語だけを使い、相手が理解できるように伝える、ということが最大の特徴です。グロービッシュの1,500基本単語とその派生形だけで十分です。難しい単語を使う必要はなく、肝心なのは仕事の中身。 相手がネイティブであっても、英語力に引け目を感じることなく、本来のビジネスの目的を達成することです。 グロービッシュなら、短期間に習得できます」
これに関する、慶應義塾大学外国語教育研究センターの日向清人氏による指摘 「気になるGlobishの問題点」は鋭く、参考になる。
http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2011/04/globish.html
ここでの筆者のコメントの通り、まだまだ「スタート台に立った」もので、これから肉付けが不可欠。 関係者皆様の辛口も含めてのコメント、指摘を頂きたい。
「引用掲載」
私たち(GHDJ)は国際ビジネスのベテラン組です。若い頃に、とにかく社命で海外に放り出されて、そこで、英語を中心に四苦八苦しながら商売をしてきました。 「ネイティブ英語」に憧れを持ちながら、しかしその体感・経験から、実務的にはGlobishを「核」として磨き、「ペラペラ信仰(劣等感)」から脱皮しようという運動です。日向さんの強調されるDiscourse Competence、あるいはBusiness Protocolです。勿論、巷の宣伝によくある「楽(らく)してうまくなる方法」とも「ブロークンで事足れり」とも違います。 そこに閉鎖性あるいは排他性はなく、Globishという概念・ツールから、皆さんがご自由に幅広く展開していただくことを願ってます。
それぞれの分野の「専門性、専門用語」を加え、場合によっては、文化的要素を加えて頂くこともありましょう。その前段階の「礎(いしずえ)」です。
「引用掲載」終わり
2)スピーキングテストVersantに続くーーー
【第143回】「仕事で使える英語」への提言(後) スピーキングテストVersant - 浜地道雄の「異目異耳」
参考リンク: 「英語が使える日本人」育成のための行動計画の策定(文部科学省)
http://www.e-jes.org/03033102.pdf
http://www.meti.go.jp/press/20100423007/20100423007.html