浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第141回】ブータン国王・王妃に学ぶ「国のかたち」

 

2011年11月20日

 

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国会演説(民主党サイトより)

新婚一か月という国賓ブータン国王夫妻が日本に爽やかな旋風を運んでくれた。

国民総生産(GDP)という経済的な指標では測れない幸福度指数、GHN「Gross National Happiness」。国民の95%が幸せと思う人口70万人(九州位の土地)の小さな国。まさにSmall Is Beautifulという感じがある。ひとことで言えば「穏やかなすがた」。何人(なんびと)もこれに異議・異論はあるまい。

つい先日まで国会(予算委員会)で罵詈雑言、揚げ足取り、罵声、野次など見せつけられ辟易としていた身にはことに印象的であった。

そのTPP参加協議に入るかどうかでの審議における与野党の攻防は「国のかたち」を描こうという、意図、努力は見られず、主権者である消費者の視点はなく、ただただ「自分の置かれた立場での利権の代表」としての論議であった。それら「不毛の国会論議」がすべて我々の税金によってなされてるということは恐ろしい。 

TPP問題の神髄~主権は消費者にあり - JanJanBlog

ブータン国王夫妻の色鮮やかな印象、巷間言われる「イケメン、美形」という表面的なことだけでなく、「国のかたち」という視点より多くの示唆を得ることができた。

1)お二人の色鮮やかな民族衣装の印象の中で、やはり「黒髪」が清々しかった。翻って、茶髪にピアスにという日本のすがた。思わず目をそらしたくなる服装の乱れ。

何とかこれを機に改まらないものだろうか。

http://www.janjanblog.com/archives/49034(黒髪のオーケストラ)

2)そして、国民から慕われる王室のかたち。 そして、王室外交。

http://janjan.voicejapan.org/government/0811/0811121341/1.php

「日本はどんな国を目指すべきか」「信頼の国、魅力の民」

先代のブータン国王が、下記のような逸話を残している由。(wiki)

1989年、34歳の先代国王が、昭和天皇大喪の礼参列のため、来日した。他の国の首脳の多くが日本から経済的な協力を得るために、葬儀の前後に日本政府首脳と会談する弔問外交を行うなかで、ブータン国王はこうした弔問外交を行わず、大喪の礼に出席して帰国した。新聞記者が理由を尋ねると、国王は、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」と答えた。

3)この伝統に守られたしあわせの国での「英語教育」。国王自身が英オクスフォードで学んだとのことだが、国民(初等中等)教育においても英語教育が施行されているとのこと。

http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/kids/lesson_english/la20051115a1.htm 世界の英語教室(ブータン

【第142回】「仕事で使える英語」への提言(前) Globish (Global English) - 浜地道雄の「異目異耳」

4)さて、幸せ度と言えば、北欧の小国デンマークを想起させる。

http://janjan.voicejapan.org/government/0909/0909120122/1.php

「Danes find trust is key to their happiness、つまり、デンマーク人は信頼こそが幸福の鍵と信じてる」とのこと。そして、その前提は「国民負担」であり、消費税は20%、所得税は50%にも達するとのこと。

翻って、「安全社会、、安心生活」を要求する、しかし、税金が増えるのは絶対ダメと主張する国民。

あるいは、格差社会是正を声を荒げて主張する人々。しかし、自分の金は出さなない、という実態。

http://janjan.voicejapan.org/media/0901/0901074888/1.php

そして、いよいよこれから、政局は「消費税問題」に突入する。「国のかたち」を見据えての論議が期待される。

因みに、「公平な税制」(と社会福祉システム)の前提である「国民共通番号制度」は民主党政権になる際の「マニフェスト」であったはずだ。

http://janjan.voicejapan.org/government/0909/0909230642/1.php「福祉型国家へのCHANGE」に必須な共通番号制度