浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【第31回】 Secondでは駄目なのですか?

2011年06月30日 某紙に「Sue 2.0」という見出しがあった。何のことかと訝りつつ読むと、Sueという女性が事故で記憶喪失、しかし苦難を乗り越えて人生「再出発」ということだ。なるほどコンピュータ用語のVersion2.0になぞらえたうまい言葉だ。 さて、日本一…

【第30回】 夜のBreakFast

2011年05月17日 ♪Im wunderschönen Monat, Mai♪(詩;ハイネ。シューマン「詩人の恋」)、Wonderfully-Beautiful Month, May 本当に、美しい五月だ。しかし、Mayは普遍的に5th Month (of the year)なのだろうか? ものの本によれば、ローマ暦では年初は3月ゆ…

【第29回】 日本の誇るBBB

2011年03月22日 Men wanted for hazardous journey.Small wages. Bitter cold. Long months of winter. Constant danger. Safe return doubtful. Honour and recognition in case of success. この100年前の英国Sir Ernest Henry Shackleton(1874-1922)によ…

【第28回】 鴎外に学ぶInformation

2011年03月01日 1989年10月。二週間後に壁崩壊(独:Mauerfall)という歴史的瞬間を二週間後に控えたという気配すら感じられないベルリンにいた。「日本情報会議」に出席していた。会議場日独文化センターは旧日本大使館とあって重厚なもの。(現在又大使館…

【第27回】 Wheel(輪)の後(うしろ)とは?

2011年02月02日 人知・人力が及ばないという意味でFather Time(父なる時間)とならびMother Nature(母なる自然)というのは深遠な表現である。母は「産むDelivery」という重要な営みをする。慈愛に満ちた母も時には怒る。父(=時間)に1923年(大正12)9月…

【第26回】 愉快なCompany

2011年01月11日 革命(1979年)前のイランの首都テヘランでは(フランス的)文化が発達していて、豪華な歌劇場「ルダキ・ホール」で色々の歌劇やバレーが楽しめた。ここを中心に、先年亡くなったフランス人バレー振り付け師、モーリス・ベジャールは、皇后ファ…

【第25回】 Bata -靴に見るグローバル経営―

チェコ、ブルノ市にて (筆者撮影) 2010年12月10日 ナイアガラの滝はアメリカ側とカナダ側に分かれる。蹄鉄(shoe)型のカナダ側のほうが雄大だが、そこに渡るにはパスポートが必要で「国境」を実感する。交通標識が(アメリカ)のmile表示から突然km表示に…

【第24回】 色々なParty

2010年11月01日 Boston Tea Party=ボストン茶会事件。世界史で習ったところによると、イギリス政府の課した紅茶税金(Tea Act)に反発した市民が、1773年、ボストン港に停泊中の運搬船を襲撃、満載の茶箱を海中に投げ捨て、それが二年後の独立戦争の先駆けに…

【第23回】 ORANGEに学ぶ世界貿易

オランダ・ティーム (HPより) 2010年09月28日 FIFAアフリカ大会たけなわの某日、英国人顧客のネクタイが白地に 赤の十字だったので、思わず言った。「お、イングランド! Good Luck」と。相手は喜び、初対面ながら商談がスムーズに進んだ。イングランドは…

【第22回】 「(年代の)違いがわかる」nestle

2010年09月01日 Nestle プリン。あのおいしいお菓子は何だかプリンプリンという擬態語phenomime的プリティー(可愛い)な表現だ。プリンとは英語(外来語)かと思って辞書を引くと、prinはなく(custard) puddingと出てくる。プリンとはプッディング、つま…

【第21回】 Cross(すれ違い)する Culture

2010年06月07日 「アメリカ素猫」司馬遼太郎 見渡すと、何と「文化」ということばが多いことか。文化の日culture day、文化勲章order of culture、文化祭cultural festival。文化都市、文化会館、文化住宅から、文化村、文化包丁、文化鍋、そして文化干しに…

【第20回】 「謝らない人」に学んだNobody told you?

2010年05月10日 謝罪(出典:共同) 裁判員制度が導入され、一方、冤罪問題が出て、又、時効廃止が異例の速さで決定された。人を裁くというのは何と難しいことだろう。日本での裁判は「見せしめ」論に加えて、「自白しなかった」つまり「謝らなかった」こと…

【第19回】 一番下の行(ぎょう)は何だ?

2010年03月29日 ボトムライン。添付出典:Marketbusinessnews ボトムライン。添付出典:Marketbusinessnews 「みどりは天才なんかではありません」、「小さい時から毎日何時間も練習してきたのです。練習したからこそなのです」。こう話してくれたのは「世界…

【第18回】 Account:誰でも知ってる厳粛な言葉

2010年02月26日 誰でも知ってて、極く普通に使ってる英語が実は日本語に訳しきれない、つまり、それほど深い意味を持ってるという例がある。その代表は何と言っても「Account」。日本人ならまず、計算(書)、勘定(書)、(銀行)口座と答えるビジネス上の…

【第17回】 Orchestrationこそ企業経営の理想

2010年01月27日 オーケストラOrchestraとは言うまでもなく管弦楽団。管、絃、(そして打)と様々な役割をもったParts(部品)=Instrument(楽器)=がConductorの指揮のもと、Symphony「交響曲」を奏でる(sounding together)様はまさに企業・組織経営の理…

【第16回】 「How Much」と呼んでくれ

2010年01月06日 ビジネス上も含めて、見知らぬ初対面の人と会うときに名前をなのり、どう自己紹介をするかはとても大事である。 Call me Ishmael. 「イシュマエルと呼んでくれ」ハーマン・メルビルの長編小説、「白鯨」Moby-Dick (1851)のまさに冒頭の語り…

【第15回】 あなたにとってCallingは何か?

2009年11月25日 "Old Black Joe" by Stephen Foster 野球で、得点大差あるいは天候などで途中中止になるのをコールド・ゲームという。Cold(凍る?)という意味かと思ったらさにあらず、(審判による)Call=中止宣言だ。The ball game(=野球) has been c…

【第14回】 想いでのSanforize

2009年10月27日 中東ビジネスにおけるthrilling な経験のひとつが、シリアのダマスカスにあるアラブ連盟「イスラエル・ボイコット本部」での交渉だ。 Central Office for the Boycott of Israel (OBI)はパレスチナを支援するアラブ諸国がイスラエルを経済的…

【第13回】 ローマのRelations

2009年09月28日 Vespa(スクータ)で女の子と二人乗りでスイスイ走る。この憧れの風景は云わずと知れた映画「ローマの休日」、恰好の「生きた英語」の教材だ。 グレゴリー・ペックが扮するアメリカの新聞記者Joe Bradleyは標準のアメリカ英語で話し、オード…

【第12回】 Cymbal が語る家族経営の伝統

2009年08月24日 1918年に故松下幸之助氏が個人創業した松下電器産業が2008年10月1日、社名をPan(a)(汎)− Sonic(音)に変えた。Ah, the legacy is gone! 他人ごと( = None of my business)と思えない寂しさが残る。 片や、1940年、McDonaldが始めたハ…

【第11回】 Sound Of Musicで英語力向上!

2009年07月27日 The Sound of Music マンハッタンから車で、マサチュセッツ州の夏の音楽祭で有名なタングルウッド(Lenox) や新島襄(幕末に函館から脱藩。後年同志社設立)が学んだアムハースト(Amherst)を越えてほぼ真北に向かって約四時間。スキーリゾー…

【第10回】 ビジネスに不可欠な体液=ユーモア

2009年06月29日 「指導者たちのユーモア」村松増美 長いビジネス生活の中で、一番やりたくなかったのが同時通訳である。この仕事は、生活文化、政治経済、森羅万象、ありとあらゆるテーマが、突然前触れなく登場して、「知的瞬発力」ともいうべき技量を人さ…

【第9回】 Credit(信用)はMoney Matter(金次第)

2009年06月01日 Credit Card 日米のビジネスギャップを考えるときに、すぐに思うキーワードがCreditである。 大学における「単位」はCredit。流動意識の高いアメリカ人は、大学を途中で変えることも珍しくなく、Creditの互換性が問われる。 自由の国アメリカ…

【第8回】ビールにまつわるGood Will紛争

2009年05月01日 Budweiser Budvar 某年、転職の合間を利用して汽車やホテルの予約もせず、思いつくままに 家内と憧れの東欧流浪をした。「冬の旅」だ。 オペラ「ラ・ボエーム」の語源であるボヘミア(チェッコ)ではレンタカーを駆って、プルゼニ(Plzeň, ドイ…

【第7回】 Phone(音声)の難しさ、楽しさ

2007年7月2日 Phonics (松香) ニューヨークに赴任して聞もない頃、当時小学生だった二女が、私の Japan という発音を笑う。こっそり辞書で発音記号を見ると Jap(ae)n とある。なるほど、(自称)国際ビジネスマンの私の発音は30年来 Jap(A)nであった。アメリ…

【第6回】海賊にみる「RとL」考

2009年02月01日 1881年のプログラム表紙 専門学者によれば、言葉にはphoneme(音素=母音と子音の数)があり、英語ではだいたい44、日本語では28だと言われている。例えば、英語では/r/と/l/は違う子音となり、2つの違う音素だと区別されるが、日本語では区…

【第5回】Parsiの商人

ペルセポリスから飛鳥へ(松本清張) 2009年01月15日 煙を上げるタージ・マハール・ホテル インドのムンバイ(ボンベイ)の「同時テロ」(2008年11月27日)で、あの瀟洒で豪華な老舗「タージ・マハール・ホテル」の火煙の映像を見て、衝撃を受けた。 同ホテ…

【第4回】Orient(日が昇る)に思う

バクー;イスラム教徒とユダヤ人のクリスマスパーティー(1913)The Orientalist p.292 2009年01月01日 Whirling Dervish 新年、静かな朝、春の海の音(ね)。日本人のこころにしみ込んだ文化そのものである。 一月一日、元日の朝は元旦。「旦」(朝、明け)…

【第3回】From the New World

2008年12月01日 ドボルザーク 1993年12月16日。筆者はNYマンハッタンのカーネギー・ホールの前に立っていた。丁度100年前、1893年のこの日、ここでドボルザークの交響曲第九番が初演されたのだ。 ♪ミーソソー、ミーレド、レーミソーミレー♪、下校時に鳴るこ…

【第2回】バーンスタインを巡るRight

2008年11月01日 バーンスタインのハーバード講義 この秋から年末にかけて(12月13日まで)、マンハッタンはバーンスタイン一色だ。Leonard Bernstein、偉大な音楽家の生誕90周年、ニューヨーク・フィル音楽監督就任50周年を記念して、カーネギーホールとNYフ…