浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第446回】 米国 vsイランの「停戦交渉」への疑問

本日、7月4日からイランではハメネイ師の国葬に入り、盛大な行事は9日まで続く。

これをもってイランは米国との「停戦交渉」を中断と外電が報じている。

【第434回】イラン、ハーメネイ師 弔問(於・駐日イラン大使館) - 浜地道雄の「異目異耳」

ハメネイ師は「核兵器開発、製造を禁止」というFATWA(イスラム訓令)を発出した本人である。それを殺害したトランプ米大統領。

 

方や、本日7月4日は米国の独立記念日。建国250年記念行事をめぐってあまりにもトランプ大統領の「自己顕示、利己主義」が激しく、その評価が米国内で分化されつつある。

【第436号】イラン攻撃はネタニアフ(シオニスト・福音派)案という証左 - 浜地道雄の「異目異耳」

しかも、そもそもこの「(合意への)覚書」自体が不安定であり、「停戦交渉」(60日という縛りもあり)の実行が危ぶまれる。

【第440回】 NPT会議決裂! ならばFATWAを点検し、TPNW批准へ 2026/5/27 | ISF独立言論フォーラム

これらを加味すると、米国での本年11月の中間選挙、はたまた2028年11月の大統領本選挙にあって、事態はトランプ大統領にとりいよいよ不利に働くことになろう。筆者(浜地)個人の「希望的観測」だが、要注視だ。

【第445回】 50年前の「石油危機」を想う

米トランプ政権による、年初のヴェネズエラ攻撃に続き、2月28日に突然発生したイラン攻撃。

世界は原油高とインフレに直面し大混乱。

この「石油危機」は石油担当イラン(テヘラン)駐在だった筆者(浜地)には第一次石油危機(1973年10月~)の苦悩が想起される。

 

7月2日(木)付け日本経済新聞は創刊150年記念ということでその過去の(1973、1979、そして2026)石油危機の検証を大きく掲げている。

中、福田康夫元総理へのインタビュー記事はとりわけ筆者(浜地)の胸に響く。 聞き手は本社コメンテータ 奥村茂三郎、とある。

(同記事より一部引用):

日本経済新聞7月5日朝刊第19面

 

「私は丸善石油で、メジャー(国際石油資本)の資本が入っていない民族系石油会社」。

民族系には出光興産、共同石油(現ENEOS)などもありました」。

「ちょうど石油の調達部門の責任者で大変苦労した思い出があります」。

 

この点こそがまさに石油担当イラン(テヘラン)駐在だった筆者(浜地)が苦労を共にした忘れられない「出来事」である。

即ち、当時同じ三和銀行系列ということで、商社ニチメン(現双日)のテヘラン(イラン)駐在員として、現地でNIOCイラン石油公社との折衝の矢面にあった。

【第199回】JANJAN過去記事から(1)トイレット・ペーパ騒 - 浜地道雄の「異目異耳」

関連拙稿:ファックスミリの登場

【第320回】AIを駆使・管理するのはHI=人間の知力 - 浜地道雄の「異目異耳」

後年、筆者は情報産業に転職。米国駐在時、WDC→NYCへのフライトでばったり福田元総理に再会。クールな兄貴分とも思い尊敬してた同氏と小一時間話す幸運に恵まれ「あの時は本当に苦労したな」と声をかけてもらったことは忘れられない。

さて、記事で指摘されてる通り、「中東依存」は今後とも変わらないであろう。

であるから、米政権によるイラン侵略は大問題である。

日本の石油危機について、記事では「高市(早苗首相)さんも頑張ってる。経験者としてはわかります」。続いて、「トランプ(米大統領)政治じゃねえ」と意味深な発言にとどまってる。

が、長年の中東イスラム圏駐在の現場感からして筆者(浜地)としては「懸念」を強くアピールする次第。

【第433回】 米トランプ政権を支える福音派=キリスト教シオニズム - 浜地道雄の「異目異耳」

50年前1973年の石油危機は「価格」の問題であった。

が、今回2026年の石油危機は価格、量(供給)であり、かつ「戦争・大量殺人」という悲惨な人類存続の問題である。

記事は「昔OPEC、今トランプ」と結ばれている。

【第444回】民主主義を希求する若者に期待

「民主主義とは何だ!」Tell me what democracy looks like!

若者の声がいまだに耳に残っている。

奥田愛基氏をリーダとするSEALS、多くの大学生の「憲法を守る」「安保法案反対」の声だ。

自由と民主主義のための学生緊急行動

Students Emergency Action for Liberal Democracy – s

【第416回】NPO抱樸(ほうぼく) ~ 奥田牧師父子 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

2015年9月には参議院での平和安全法制に関する特別委員公聴会で発言。そして、2016年8月15日解散 (予定通り)。

 

あれから10年。

そんな民主主義への希求を訴える若者の声を聞く機会があった。(5月16日)

【第441回】 民主主義ユースフェステバル にて - 浜地道雄の「異目異耳」

そして、それが(一社)日本若者協議会が主催ということを知った。

民主主義博物館 by 日本若者協議会

後日、6月13日、近隣の屡々通る街角のマンションの一角に民主主義博物館なる展示場を知り、またまた驚き、入ってみた。

うっかりすると、通り過ぎる

 

前述、日本若者協議会が企画運営とのこと。

丁度10人ほどの若者が熱心に 展示説明を聞いていた。

説明を聞く参加者(撮影許可済み)

折しも、不調に終わった国連NPT会議。羽場久美子氏によるそのレビューを聞き、若者への期待を新たにしたところである。

グローバルサウスの国々」と共に平和を守り作っていく「東アジアの若者たち」を励ましていかねばならない。

【第443回】NPT核不拡散条約再検討会議の不調 ~ ISFシンポから考える | ISF独立言論フォーラム

 

【第443回】NPT核不拡散条約再検討会議の不調 ~ ISFシンポから考える

トランプ米大統領は6月14日、自身の誕生日、折からのG7(仏エビアン)において「イラン戦争の停戦」に合意したとSNSで発表。17日、覚書にサインをした。これを受けて、日本のメディアは石油関連を中心に、輸送、価格、株価~~、はたまた、流通から消費者化価格とこぞって報道、解説をし、世論を煽ってる。

 

が、ちょっと待って、と筆者は考える。「覚書」とはMemorandum、要するにメモであり、拘束力はない。しかも、他ならぬトランプ大統領は一度ならず「前言を翻す」ことで知られている。

ゆえに、覚書に記された「検討期間60日」、警戒心をもって注視していかねばならない。

そこで、今回の米トランプ政権による突然のイラン攻撃というそもそもの原点を点検しておこう。

聖書時代以来の因縁を盾に、イランを天敵とするキリスト教シオニスト(福音派)であるネタニアフ・イスラエル首相に唆(そそのか)され、トランプ大統領は無知のまま2000年の文化を誇る人口9000万人の「イスラム教国家イラン(ペルシャ)」の政権を軍事力により一瞬にして交代できると思ったのであろう。

年初でのヴェネズエラ大統領夫妻の拉致(の成功?)、そこにノーベル平和賞をと誉めそやされたことに味をしめたのであろうか。

【第423回】ノーベル平和賞2025(ヴェネズエラ反政府活動家)への疑問 2025-10-31 | ISF独立言論フォーラム

さて、これを受けて、ISF(真実追及と戦争廃絶を目指す独立言論フォーラム)主催の「イラン戦争の衝撃と波紋」シンポジウムが開催された(6月7日)。

https://isfweb.org/wp-content/uploads/2026/04/9f3deeb6cb9d7ca781cabb5ed5ea3f02-3.pdf

 

各界専門家のプレゼンテーションはそれぞれ唸らせる高度な論考であった。

ISFシンポ後半、登壇者のディスカッション (撮影許可済み)

 

うち、石油担当イラン(テヘラン)駐在の元商社マンの筆者(浜地)にとってはとりわけ羽場久美子氏(青山学院大学名誉教授)のプレゼンテーションが胸に響いた。

同氏は、国連NPT再検討会議にPeace Depot代表の一人として参加したとのこと(4月27日~5月22日)。そして、その最終文書が不採択となったことより、「なぜ不採択になったのか」という視点からの「緊急報告」でありその緊張感は大であった。

熱のこもったプレゼンテーション最初の資料 (同氏提供)

そこには「中東非核地帯構想も覆された」とある。

米国(イスラエル)はイラン攻撃の口実としてその「核開発疑惑」を主張しているがイランはFATWA(イスラム法に基づく訓令)で「核兵器を製造・所有してはならない」と命じている以上、攻撃は口実/言いがかりにすぎない。

「核開発問題」解決に現実的な方法は「中東非核地帯構想」を実現し、中東のすべての国が加盟することだが、筆者の知る限りこの構想に反対しているのはイスラエルだけである。

これらNPT会議が不調に終わったことの深刻さを憂う筆者(浜地)の主張と軌を一にするところであり、同感、励まされる。

【第440回】 NPT会議決裂! ならばFATWAを点検し、TPNW批准へ 2026/5/27 | ISF独立言論フォーラム

特記:文中(写真) のエルバラダイ氏(エジプト人)はノーベル平和賞受賞者(2005)であり、トランプ米大統領を「異常者」と表現している。

トランプ氏を「異常者」と批判 平和賞のエルバラダイ氏(共同通信) - Yahoo!ニュース

そして、重要項として、羽場氏のプレゼンに記された通り、被爆4世らを軸に「グローバルサウスの国々」と共に平和を守り作っていく「東アジアの若者たち」を励ましていかねばならない。

 

関連:羽場久美子氏公式HP

羽場 久美子 ホームページ

ISF木村さんとの出会いはこちら。→【第190回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(7) | ISF独立言論フォーラム

 

関連拙稿:

【第106回】Trump 米大統領は trump できるのか? - 浜地道雄の「異目異耳」

【第433回】 米トランプ政権を支える福音派=キリスト教シオニズム - 浜地道雄の「異目異耳」

【第430回】トランプがイランを攻撃?! ~ アラックを片手に想う - 浜地道雄の「異目異耳」

【第189回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(6) - 浜地道雄の「異目異耳」

【第411回】 日本国の義務 ~ TPNW核兵器兵器禁止条約の批准 - 浜地道雄の「異目異耳」

【第434回】イラン、ハーメネイ師 弔問(於・駐日イラン大使館) - 浜地道雄の「異目異耳」

【第442回】 寄稿19年を振り返り、イラン戦争から未来を見る

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寄稿「Global Business English File」月刊グローバル経営誌:(一社)日本在外企業協会JOEA 第112号(最終回) 

愛読頂いてきた拙稿Global Business English Fileが本112号をもっていよいよ最終回。

振り返れば日本人にとって鬼門の発音「RとL」を考えた2007年1月号が第一回。

【第6回】海賊にみる「RとL」考 - 浜地道雄の「異目異耳」

以来、隔月ながら何と19年という長きに亘ったもの。改めて感慨深い。

英文法の解説というよりは、中東イスラム圏及び米国(NYC)駐在でのビジネス体験を元に「異文化理解=自分とは違うのだ」という観点でいわばTriviaつまり「へー、そうなんだ!」と評価して頂ける読み物として、かつ、国際ビジネス上、又グローバル教育上、役に立とうというものを中心に書いてきた。

まず、重要な命題、「異文化理解、共生」という観点から:

・第12回 (2008年1月号)オリエントに思うダルビッシュ

【第4回】Orient(日が昇る)に思う - 浜地道雄の「異目異耳」

【第92回】ダルビッシュって誰? - 浜地道雄の「異目異耳」

ダルビッシュの廻舞儀式

そして、世に知られる寓話からのビジネス・ヒントとして:

・第105回 (2025年1/2月号)

海蛇(アンデルセン)=海底電線ケーブルは現在のインターネトの9割を占める経済安全保障のかなめである。

【第388回】新年に想う大きなウミヘビ(アンデルセン) - 浜地道雄の「異目異耳」

大きなウミヘビ (アンデルセン)

又、

・第103回(2024年9月号) ペルシャの王子(単なる偶然ではなく才気をもっての発見、発明)2000年、12月10日、ノーベル化学賞の授賞式での言葉に言及されている。

【第374回】Serendip ~ 今に活きる1500年前のペルシャのおとぎ話 - 浜地道雄の「異目異耳」

ペルシャの王子たち



ということで、改めていくつかを振り返り、再読頂ければ幸甚。

・第20回世界を変えるTicket  (2008年10月号) 

米大統領選挙の仕組みの一つとして、大統領候補と副大統領候補の組み合わせ

【第1回】世界を変えるTicket - 浜地道雄の「異目異耳」

・第40回JobsとJob (2012月4月号)

アップルの創始者Steve Job それを新約聖書のヨブ記Jobになぞらえる

【第41回】 「Jobsの本」と「Jobの本」 - 浜地道雄の「異目異耳」

  

・第60回 接頭語「A」  (2016年1/2月号)

新年にあたりアルファベットの最初の文字「A」にちなみ関連トリビア

【第78回】 新年に思う接頭辞「A」 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

・第80回 令和に想う温故知新」(2020年 1/2月号)

令和2年新年に当たり昭和天皇の孫浩宮徳仁親王と小和田雅子嬢の結婚内定を祝う

【第120回】REIWA 2 に思う温故知新 - 浜地道雄の「異目異耳」

・第100回 過去記事を振り返り、未来を見る(2024年1/2月号)

【第339回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり~review回顧とprospect展望(1/2) - 浜地道雄の「異目異耳」

 

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さて、こうした思いを振り返りつつある今、突然の世界大混乱。即ち、トランプ米政権によるヴェネズエラ攻撃(1月3日~~)に続くイラン攻撃(2月28日~~)。

拙稿は基本的に政治紛争・主張に踏み込むことは避けてきた。

が、今回の米政権によるホルムズ海峡封鎖は基本的な石油エネルギー問題に直結し、経済、ビジネス上の大きな問題につながっている。

ここに至っては、石油担当テヘラン(イラン)駐在の経験よりして、イラン攻撃の理不尽について言及しないわけにはいかない。

イランはその正式国名イラン・イスラム共和国の通り、9000万人の人口を擁する「宗教・イスラム国家」であり、その基本的に依るところは生活絶対訓「聖クルアーン(コーラン)である。

イラン攻撃の「キリスト教シオニズム」(福音派)の発想・主張の原点は旧約聖書にあり、エルサレムを中心とするパレスチナ地区を占拠。そこにおいてイスラム教排除を基本とする。

ゆえに米国・イスラエルによるイラン攻撃はトランプ大統領のいう「短期政権転換」はあり得ないどころか、大混乱の長期化が必至である。

・opinionイスラムを知らずして世界は語れない (2015年5月号) 【第75回】 「番外編」イスラムを知らずして世界は語れない - 浜地道雄の「異目異耳」

従前、ビジネスにおいては、「宗教と政治の話題はタブー」とされてきたが、この情報化の時代にあっては、異文化(宗教)の理解は必須である。

例えば、米国のイラン攻撃について、4月7日付けNY Timesは How Trump Took theU.S. to War With Iranと題したルポ記事を掲載した。副題はHere`s inside story ofhow he made the fateful decision。(Jonathan Swank・Maggie Haberman両記者の共著)。

2月28日のイラン攻撃について、直前の2月11日、トランプ米大統領はネタニアフ・イスラエル首相をWhite Houseに招き入れ、秘密会談で意見を聴取。

「イランを攻撃し、民衆蜂起による新たな政治体制への移行を実施」というネタニアフの提案に「良い考えだ」と応答、実行に移した、というもの。

これについて側近三人の意見が記されている。

・バンス副大統領:悪いアイデアだが、決断するのであれば支持する

・ルビオ国務長官:圧力強化を主張。体制転換を目指す攻撃に反対だが、ミサイル計画を断念させる攻撃には賛同

          そして

・へグセス国防(戦争)長官:いずれはイランに対処しなければならない。今実行すべきだ

さて、日本では中々理解が及ばないところだが、これよりして、「イラン攻撃はキリスト教シオニスト=福音派=による」ということが明らかである。

かくして、グローバルビジネスにおいてはFact Check(一体、事実は何なのか?)が必須事項であると提起して本稿を閉じる。

・第91回 OSINT時代 (2022年4月号)

【第250回】OSINT時代に想う「情報」と「知力」= Intelligence - 浜地道雄の「異目異耳」

 

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♫So long, Farewell, auf Wiedersehen, Adieu そしてGood Bye!♫

・第9回Sound of Musicで英語力向上!(2007年10月号)

【第11回】 Sound of Musicで英語力向上! - 浜地道雄の「異目異耳」