浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第207回】 夜のBreakfast

Jul, 2013

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ラマザーン明けの集まり

商社マンとしてサウディ・アラビアの首都リヤド駐在時のこと。スーク(市場)にオフィスがあるお客とアポイントが取れた。「11時に来てほしい」とのことだったので、約束当日、午前11時に行ってみると、店々のシャッターが一斉に降りていて、スーク全体がガラーンとしている。一体どうしたことかと訝るのだが、後で判明した。「午後11時に来い」ということだったのだ。

その理由は、折しもイスラーム暦の断食(ラマザーン)の月。ムスリムイスラーム教徒)は日のあるうちは断食を行い何も食べない。敬虔なムスリムは自らの唾を飲み込むことさえせず、あちこちで唾を吐いてる。

ラマザーンは、ムスリムにとっての絶対生活訓たる「聖クルアーン」によると最初の啓示が下った聖なる月で、一年でもっとも祝福に満ちた月として待ち焦がれる月なのだ。

そして、件(くだん)の市場では日没と共に店を再開し、また、親戚縁者を集めての飲み食い(といってももちろんアルコールはなし)が、あたかも宴会のごとく店先で始まる。場合によっては徹夜騒ぎになる。

だから、翌日には寝不足と食べ過ぎで、グロッキー状態だ。そしてまた通常よりも沢山食べるから、断食月にはかえって太ってしまうことになる。

その断食は旅行者や重労働者、妊婦・産婦・病人・子供など合理的な事情のある場合は例外らしい。

異例の相撲力士「大砂嵐」はエジプト出身。イスラーム教徒。ラマザーン月には、日中の食事はなし。相撲は言ってみれば「重労働」だと思うのだが、元々スポーツマンであった「大砂塵」はずっと忠実に教えを守ってきて、「これもトレーニングのうち」と平気の平左と聞く。

ラマザーン月明けは盆と正月が一緒に来たようで大宴会となる。そして、その費用は、一族の中で最も成功した裕福な者が負担している。家父長制の一つの表れであり、一種の所得再分配という社会システムとも言える。

Breakfastとは朝食かと思っていたら、さにあらず、この「Break Fast=つまりFast (断食)をBreak (解く)」は夜に宴たけなわとなる。

夜中近くの商談から、「なるほど文化の差」かと学んだものだ。

 

 Jul, 2013

Breakfast at night Other Eyes and Ears – Vol.5 

Seconded to the Saudi capital of Riyadh while working for a trading company, I got an appointment with a client whose office was in the souk (marketplace). Asked to “come at 11”, I duly turned up at 11 am on the day arranged, only to find the shops all shuttered, and the souk deserted. What on earth was going on, I wondered suspiciously. Later it transpired that I’d actually been told to come at 11 pm. .

The reason: my visit just happened to coincide with the month of Ramadan according to the Islamic calendar. During Ramadan Muslims fast in the hours of daylight, eating nothing. The most devout do not even swallow their own saliva, preferring to spit all over the place.

According to the Koran, the Muslim holy book which sets out absolute precepts for living, Ramadan is the sacred month in which the Prophet Muhammad first received revelations from Allah. As the most blessed month of the year, it is much anticipated..

The aforementioned market reopens at sunset, extended families gathering at the shops to eat and drink (though no alcohol, of course)in party-like fashion. In some cases, the festivities continue through the night..

Which means that the next day, people are groggy from too much eating and not enough sleep. And because they eat much more than usual, paradoxically this month of fasting often becomes a month of expanding waistlines.

Apparently some are sensibly exempted from the fasting requirement, including travelers, people performing heavy manual labor, pregnant women, women in labor, invalids, and children..

The remarkable Egyptian sumo wrestler Osunaarashi is a Muslim. During Ramadan he refrains from eating during the day. I suppose sumo could be classed as “heavy labor”, but Osunaarashi, originally a sportsman, has always adhered faithfully to his religion’s teachings on the matter of Ramadan, and is said to be perfectly OK with the fasting, describing it as “all part of the training”..

The end of Ramadan is a celebration to rival Obon and New Year combined, paid for by the wealthiest and most successful member of the family: a manifestation of the patriarchal nature of Muslim society, and also perhaps a form of social welfare: a way of redistributing income.

You may think breakfast should be eaten in the morning, but no, this “breaking of the fast” reaches its pinnacle at nighttime. Engaging in business talks in what was virtually the middle of the night gave me insight into yet another way in which cultures can differ.

 

by Michio HAMAJI

International business consultant. Part-time lecturer at the Bunkyo University Faculty of International Studies. After graduating with a degree in economics from Keio University in 1965, studied at a foreign trade college before taking up a post in the Middle East in charge of oil for a trading company. At the age of forty-five, launched a new career in the information business and moved to New York. Following jobs at a translation company and Japanese-US communications fi m, chose the path of self-employment in 2002. Set up the Saudi Arabian pavilion at the Aichi Expo. Has worked on a series of music videos on renowned conductor Leonard Bernstein. Japanese advisor to firms such as U.S. information systems company Cognizant and U.K. educational publisher Pearson.

【第206回】「反日」が過剰報道される上海を訪問 (2005)

 

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上海の浅草、余園の父子

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,盛り場・南京路で繁盛する吉野家



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人気のトローリーは「京都号」



 

 

 

 

2005/05/02

 

「余命長くない」と医者から宣言されたオヤジ。それは言わずに最後の思い出(筆者は上海生まれ。4歳まで)ということで、家族で上海行を計画した。

 ところが、突然ふって沸いたような中国における「反日」報道。そのデモ隊の投石画面がTVで茶の間に入り込み、日本市民に恐怖感を植えつけた。

 長年、中東、米欧、アジアとわたり歩いた元商社マンとしては、過去、しばしば経験してきた「現場との違和感」を今回も感じた。

そこで、やはりこの目で現地を見ようと、周りの反対を押し切って上海行きを決行した。

往復飛行機(日本)はガラガラ、ホテルでも日本人はいない、街でも見ない。    「反日デモ」は誤報ではないけど、針小棒大とはこのこと。それへの反語として敢えて断言すれば、街には反日の機運のかけらも無い。

ホテルに閉じこもってたわけではなく、中国語のできない日本人夫婦二組がアテンドなしで旧日本租界を歩き、大学を訪ね、夜の繁華街で買い物も食事もした結果の判断だ。
武装護衛で固めた(イラク)サマワ半日間の視察で「治安に問題なし」と判断した某防衛庁長官とは判断の視点が違う。

一年ぶりの上海は、いよいよ、活気と喧騒とけばけばしさに満ち、その分、貧富の差という矛盾をさらけ出していた。時速430kmというリニア・モーター・カーと、子連れの物乞い。これらが共存(?)する、昔ながらの「魔力の街」だ。

そんな中で、「上海の浅草」ともいうべき繁華街・余園を訪ね、喧騒の市民生活の中に入って行った(4月26日)。 そこで出会った肩車の父子。そこには反日も抗日もない、万国共通の「無条件の安寧感」がある。

 ニューヨークや中東と同様、何でもあり! したたかな相手には、こちらもこちらなりのしたたかさを持たねばならないが、結局は報道を受ける側の「インテリジェンス」に帰結しよう。
踊らされるほうがいけない。とにかく、愚民にはなりたくない。

 

 関連拙稿:

日中国交回復40年                      https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2020/08/15/000000

アルバニア(決議 1971)https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2020/10/06/000000_1



【第205回】 新型コロナは本当に怖いのか  ~ COVID19で想うFナイトの「不確実性」論

 

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F.ナイト 「リスク、不確実性および利潤」1921

初めに結論を: 

奇跡的に少ない日本の死亡者(数)。しかるになぜワイドショーをはじめ、毎日毎日、「感染、感染、感染」と恐怖を茶の間に注ぎこむのだろうか。

PCR)検査 ≠ 陽性 ≠ 感染 ≠ 発病 ≠ 重症 ≠ 死亡  、 と「不連続」であるにもかかわらずーー。 

http://jicl.jp/hitokoto/backnumber/20200810.html               拙稿:コロナは本当に怖いのか? ~ナイトの「不確実性論」から見る (法学館憲法研究所「今週の一言」2020年8月10日)

 新型コロナ・ウイルスNovel Corona Virus Disease 19が世界を恐怖に陥れ、ビジネスや教育をはじめ社会システムを崩壊に導いている。

そこで使われている英語には成程と思うのもある反面、疑問なしとせずもあり、点検してみよう。

まず、Novelとは通常「小説」と理解されるが、実は「新奇」の意、成程。Pandemicとはギリシャ語Pan「全て」+ dēmos「人々」が語源。他方、Overshootとは的を越える。金融市場などで用いられるが「感染爆発」とは直結しない。又、Lock Downは本来「鍵で閉じ込める」であり、「都市封鎖」という意味にはならない。

Quarantine検疫、これが興味深い。イタリア語のquarantena=40日間が語源。疫病が東からくるので、当時の海外貿易の中心ヴェネチアでは潜伏期間を考えて40日間疑わしい船を強制的に停泊させたという法律。

 同様に古い紀元をもつ重要語triage。罹災者を三段階tri-に分けて治療する。福祉国家で知られるスエーデンは元々「延命治療」をしないということで、今回高齢死亡者の数が多い。

 さて、あまりメディアには登場しないが、今回の「騒動」を巡って内外多くの識者とのやりとりで盛んに聞かれる重要単語はUncertainty不確実性。ビジネスマンは注目すべきことばだ。例えば、先物(さきもの)とはFutures。まさに「未来」を指す。相場観といえばforecast (for the market tendency)=「予想」で、要するにuncertain (不確実)だ。

 これを経済学で有名なシカゴ大学教授フランク・ナイトFrank Hyneman Knight(1885 - 1972)その著書『Risk, Uncertainty and Profit(危険・不確実性および利潤)』(1921)で確率によって予測できる「リスク」と、確率的事象ではない「不確実性」とを明確に区別した。

 筆者の解釈を含めて言えば、そこには3つの段階がある。        

一つ目はある状態を特定したり分類することが不可能な「推定」。「お化けが出てくるごとく」恐怖が恐怖を呼ぶ。 

二つ目は例えば「2つのサイコロを同時に投げるとき、目の和が7になる確率」というように、数学的な組み合わせ理論に基づく先験的確率。

そして三つ目は例えば男女別・年齢別の平均余命、或いは(自動車)事故のように経験データに基づく「統計的確率」である。

 その確率(エビデンス・根拠)がわかると「(予知でき、対策も考えられる)リスク」となる。ここから、先物相場、保険、株式・不動産投資などをはじめ、各種ビジネスが発生し、利益が得られる、というもの。

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「1997年ー世界を変えた金融危機」:竹森俊平、朝日新書

更に、「企業家」のもっとも本質的な行動は「新しいこと」への挑戦、「不確実性」と真正面から対決するのである。そしてそれに対しての報酬として、「利潤」を手に入れる。

 *出所『1997年―世界を変えた金融危機』:竹森俊平、朝日新書 p88       1997年、北海道拓殖銀行山一證券が倒産し、アジア通貨危機がおこった。本書では、その時、IMF国際通貨基金)や世界の国々がとった対応を詳記し、その背景にある「ナイトの不確実性」を説明している。 

*同書は極めて精緻かつ示唆にとむ経済論だが、加えて、2020年3月20日付け日本経済新聞「大磯小磯」では、新型コロナ発生により金融資本市場に生じた激震について「今回の本質は、お化けが飛び出すかのような怖さ、目に見えず実態が分からないことへの不安」、即ち「ナイトの不確実性」と説明している。 

今回の「コロナ禍」について「感染者数」ではなく、人口10万人あたりの死亡者数を見ると、日本は0.38人と奇跡的に少ない。因みに、スペイン52.87人、イタリア47.82人、英国42.76人、スエーデン26.25人、米国20.63人 - -。(コッホ研究所や東洋経済などのデータから纏めたという在ベルリンDr, Frank Broseの情報。5月3日付け)

 これらを総じれば、ナイトのいうエビデンス(統計数値)によるリスク。即ち、対応が可能ということになる。

 神ならぬ身の知る由もなし、一寸先はわからない。が、ヘミングウェイのことばを噛みしめながら「正しく恐れよう」。Courage is grace under pressure.

 (了) (一社)在外企業協会 「月刊グローバル経営」2020年6月号より転載・加筆 

 

関連拙稿: 

・NET IB News (DataMax社): 数字、定義、根拠不足の新型コロナウイルス報道「お化けの恐怖」に振り回される日本 (2020年4月21日)

https://www.data-max.co.jp/article/35358 

・関連性の教育学会EPA「正しく恐れて」コロナ・パニックを乗り越えよう~グローバル時代の若き世代ために  (2020年4月17日)https://epajapan.jimdofree.com/note-2/a/ 

同稿に記した東洋経済社のグラフ「年代別の死者数」は重要参考https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/  https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/en.html (英語) 

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日本における死因順位2019

又、「日本における死因順位2019」(寺島実郎日本総研会長報告書より)が、インフルエンザによる死亡者数3,575人と証左を記している。他方、種々報道解説ではコロナ死亡者数を(年別ではなく)累計で表示しているが(9,350人、2021年4月10日)、これではApple to Apple正当な比較とはならない。

 

【第204回】 中東和平対話を日本で(パレスチナ訪問記)

 

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同会場にて

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首相インタビュー(松本道弘さん)

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支援アラブ国への感謝演説



(2012年11月21日 JANJAN

パレスチナ独立記念日、11月15日、アバス議長(大統領)の招待による、青年の集まりに参加の市民グループに便乗して、夫婦でパレスチナ(及びイスラエル)を一週間訪問した。(11日成田発、イスタンブール、アンマン経由、陸路パレスチナの首都ラマーラ着。18日帰国)     

いわゆる観光はともかくとして、(家内にも多くを言わず)胸に秘めた思いはアバス議長に「中東和平交渉を日本で」とアピールすることだった。     

長く中東イスラム圏、及び転職後移住した米国(NY)での「異文化体感」から筆者は「世界を揺るがしてる中東問題の根はパレスチナイスラエル問題」であり「その仲介ができるのは日本」と強く思ってきた。日本は(宗教・文化的に)中立であり、経済大国であり、かつ、中東国においては、人々の人気があることは経験的に言える。     

問題は、日本の為政者の外交力と意欲だが、岡田民主党代表(当時)は、2005年、中東を訪問、4月30日、パレスチナのアバス議長から、5月2日にはイスラエルのカツァブ大統領から「対話の用意がある」という重大な発言を引き出している。http://janjan.voicejapan.org/world/0507/0507049123/1.php     

続く、5月16日、小泉当時首相(当時)も来日中のアバス議長から「イスラエルシャロン首相との会談の機会があれば喜んで応じる」という言質を得てる。(残念なことにシャロン首相の6月予定の来日は延期となった)。     

そのアバス議長は本年4月来日したが、野田首相はそこまでの言質を取るに至らなかったようだ。http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/1204_plo.html     

ということで、日本市民たる筆者としてはこの世界的大難関に平和解決の何等かの糸口を見いだせないかというドンキホーテ的発想をずっと温めてきた次第。     

さて、アバス議長と面談可能性のあった11月15日、独立記念日の行事が、折しも発生したイスラエルによるガザ攻撃という非常事態で、キャンセルとなり、同議長との面談は果たせなかった。     

しかし、その前々日、パレスチナ支援をしてきたアラブ諸国への感謝の会に出席が許され、サラーム・ファイヤードSalam Fayad首相(財務長官、元外務長官)に会い、又、その翌日は首相官邸に招かれての会談が実現した。     

写真(いずれも筆者撮影)のインタビューア(英語)は同道した松本道弘氏。詳細記録は同氏から報告されようが、筆者が傍聴した範囲においては「中東和平交渉を日本で」という持ちかけには「Possible」と英語で明言された。     

会談を終えて退出の同首相に、筆者が「See you in Tokyo for peace dialog.和平対話で東京でお会いしましょう」と念押しの挨拶をしたに対し、手を握っての同首相の即答は「インシャーラー」と心強かった。     

因みに「インシャーラー」とは「アッラー神が望み給う通り」ということ。日本では時に「いい加減」と理解されるが、実際にイスラム圏で生活し、ビジネスをしてみると、ことが真剣であればあるほど、Surely、Definitelyと解することができる。(自分は確かにそのつもりだ。ただ、万一、不都合が出てきたら神の思し召しゆえ許してくれーー)     

筆者のドンキホーテ的な思いは、日本での中東和平合意を西東管弦楽団が来日、祝ってくれること、と広がっていく。

【第182回】1999年ワイマール ~ 西東詩集管弦楽団 - 浜地道雄の「異目異耳」

    

さあ、本当に小さな小さな一石。どのように波紋を広げていくか? 

まず、最初の関門はイスラエル側の同意・賛意をどう取り付けるか?    

【ご意見板】11 件の書き込みがあります

  1. 小林光長2012年 11月 21日 03:10

浜地さんの一市民としての思いと行動に敬意を表します。

私自身は大して知識も無いのですが、立場としてはパレスチナ人の過酷な運命と不幸に深く同情しており、ささやかながら、月々”パレスチナ子供達キャンペーン”というNOPに献金をしているというものです。

浜地さんの思い入れが東京で花を咲かすことになれば、大変な市民外交ということになりますね。ただ私自身は悲観論者なのですが、クリントン大統領も両者の仲介に立って、ほぼ成功と言うところまで持ち込みましたが、結局身を結ぶことができませんでした。アメリカ大統領が試みてだめだったことが、果たして哲学と利害関係に欠ける日本人(日本政府)に出来るかというと大変心もとないと思ってしまいます。

なんといってもイスラエルの気持ち次第にかかってくると素人ながら思うのですが、絶対的な強者であるこの国が、果たして譲歩ということを出来るのかまたそれを国民が許すのかと思うと、どうしても悲観的に成ってしまいます。ちょうど北方領土の日本とロシアの関係に似て

(この場合ちょっと無理な比較ですが、ロシアがイスラエルで日本がパレスチナ)ロシアが動かなければ全く状況は変えられないという一方的な環境下での交渉と同じような状況となり、正直なところ、残念ながら悲観的に成らざるを得ません。要するにイスラエル次第だと思うのですが、果たして幾多の歴史と世界屈指の民族的選民意識を持つこの人々が

アラブ人に妥協するのか(そうあって欲しいですが)、浜地さんの一石がいい方向に向かえば

浜地さんもノーベル賞とわ言わないまでも(笑)、何らかの賞に繋がっても不思議ではないでしょう。いずれにしろ何らかの進展を期待しています。

  1. 浜地道雄2012年 11月 21日 11:04

小林 さん、

懇切なコメント、ありがとうございます。

複雑で難しい問題。整理するのが大変ですが、パレスチナイスラエルは「共存・共栄」以外に道がない、というのが大前提。

そして、(短絡に過ぎますが)アメリカ≒イスラエルと考えると、わかり易いと思います。

私は嫌米派ではないのですが、素晴らしいアメリカにも陰の部分があります。

ブッシュ政権に始まる中東武力介入(=泥沼)がその最たるもの。

イスラエルのネタニアフ首相はその出自(米国育ち。MIT、ハーバード)からしても=アメリカ。それもロムニー候補に近い強硬派(別稿しましたが、私はロムニーでなかったことを歓迎してます)。

来年早々(1月22日=因みにオバマ再就任は1月20日)の(イスラエル)選挙を控えて、パレスチナ強硬派のハマスガザ地区支配)をテロ組織として、今回のガザ攻撃を打ち出してるわけです。

兎に角、両方の言い分を聞くことから和平交渉(仲介)を始めねばなりません。

ということで、日本という中立、経済大国に「やる気=外交意欲」があれば、仲介者になれる国だと「期待」してます。

そして、その日本(人)が広く広く、小林さんのように「パレスチナイスラエル)問題」

を認識することのみが、日本政府を動かす大きな力になってきましょう。これも又選挙がらみーー。

尖閣竹島同様、我々に無関係ではないわけです。

そのための「拡散メディア」としてJANJAN市民ネットに大いに期待したいところです。

感謝

  1. 浜地道雄2012年 11月 22日 17:08

双方が停戦に合意し、21日同日午後9時(日本時間22日日午前4時)に発効し、イスラエル軍の地上侵攻は土壇場で回避されたとのこと。

しかし、これが和平交渉の再開に直結しない。この辺りが、日本(人)には本当にわかりにくい。

  1. 浅見早登子2012年 11月 22日 18:52

こんにちは。浜地さんの行動に感激しております。中東問題は私には到底理解できないほど深い深い民族問題や色々なものが交差している問題です。

日本の代表として行動して頂いてありがとうございます。

多くの日本人に知って欲しいです。

私は最近、シリア人と一緒にアラビア語翻訳を始めました。

  1. 浜地道雄2012年 11月 28日 08:54

アラファト議長パレスチナ)の暗殺説があり、遺体の発掘が

マラッラー27日に行われ,DNA鑑定にまわされたよし。

結果次第で、「憎悪」が増しましょう。

  1. Hisae Nittoh    2012年 11月 29日 20:28

浜地さん、お久しぶりです。

よくご無事で・・といったらあまりに無知でしょうか?

パレスチナ問題はアメリカ含むフランス、イギリス、ドイツ、イタリア・・というヨーロッパの主要国がそもそも問題の根底にある責任を負うと聞いたことがあります。 そこに日本が仲裁に入る?というか、其のぐらいの外交が出来る国作りをしなければいけないということになりますね。。尖閣竹島問題も自分では関心を持っているつもりですが、考えると私はテレビで池上先生の講義を見ての請けうりぐらいの知識しかありません。先日、尖閣諸島には日本人がもともと住んでいたという話をしましたら、本当に最初に住んだのが日本人と断定できるのか、何時ごろまでさかのぼって断定するのか、等と突っ込まれました。あまりのことに、なぜ最初に住んだ人にそこまでこだわるのか、と逆に問えばよかったな、と後で思った次第です。私としてはどのようにして国の領土なったか、その方法が重要だと考えること、例えば武力である日突然占領したのか、或いは国際法に照らし合わせて其のとき最善で合法的な方法で定めたのか、焦点はそこにあるのではないか、とせいぜいそんな程度なのでした。なんだか・・ダメですねーー反省。

  1. 浜地道雄2012年 11月 30日 23:53

本日、国連にてパレスチナの「オブザーバ国」が承認されました。

Big News!

日本が賛成国に回ったのは、特記すべきことです。

http://www.janjanblog.com/archives/51233

  1. 小林光長2012年 12月 1日 03:10

日本が賛成に回ったのは私にとってはうれしい誤算でしたが、もし反対に回っていれば世界の物笑いになるところでした。何しろ反対票はカナダとチェコを除けば南太平洋の極小無名国家だけですから、日本の関係者はこの辺の票読みをしてアメリカにあらかじめ了解を取って行動したのかもと勘ぐっています。

しかしここまで世界を敵に廻しても、ましてオバマ政権の後期であるにも関わらずこうした行為に出ることは、さらにアメリカとイスラエルの奇妙な関係を浮き彫りにする効果をもたらせただけでしょう。アメリカはこのお粗末な結果によって、国連のユネスコやその他の機関に援助の大幅な削減などかなりの圧力をこれからかけていくようです。対キューバイスラエルに対しては(真反対の対応ですが)アメリカの外交政策は過去数十年不変ですね。

クリントン国務長官が次期大統領になれば(確立は低いが)ちょっと変わるのではと期待はしていますが。

  1. 小林光長2012年 12月 3日 08:09

私は、今回の国連総会におけるパレスチナ準国家扱いの投票において、ドイツは直前まで反対に回ると聞いていたので、現実にドイツが棄権に回ったことに驚きましたが、今日のシアトルタイムズの記事を読んでいると、イスラエルにも大変な衝撃が走ったとイスラエルの高官が語っている由。ドイツのこの決定は、イスラエルが、そのセツルメントに対する話し合いが全くなされない又は無視されていることに、絶対的なプロイスラエルを政策としてきたドイツも最後の最後で史上初めて決定を覆したとのこと。(随分悩んだ様子が記事から伺えます)

しかしこれによってイスラエルはますます頑なにセツルメントを続けるに事になりそうで、この辺りの推移は北朝鮮の核開発政策と同じで(海外圧力が高まれば高まるほど意地になる)、これまでイスラエルにそれなりの理解を示していたヨーロッパからも、今後イスラエルは冷たく扱われることは予想され、北朝鮮と共にイスラエル

厳しい国際的孤立国家として歩まざるを得なくなりそうです。またイランにも良い口実を与えることになります。

同時にアメリカも今までの様な”イスラエルの後ろ盾”という安易な政策だけでは立ち行かなくなりそうで、オバマ大統領の力量が試されることとなりそうです。

一方日本で安部右派政権ができれば、再び、盲目的なアメリカ、イスラエルよりの政策が強化されそうで、世界における日本の外交と言うものがこれ以上笑いものにならないように、日本人ももう少し先進国としての自覚を持った世界レベルの判断を選挙において示して欲しいと熱望してやみません。

私は特にどこを指示と言うことはありませんが アンシャン レジーム だけは避けて欲しいと祈る思いでいます。

  1. Hisae Nittoh    2012年 12月 10日 11:54

浜地さん、ご苦労様です。エジプトも混乱していますね・・

ところで、黄 文雄(コウ ブンユウ)という人ご存知ですか? 最近この人が書いた「日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか」という著書を読み始めました。朝鮮半島の歴史には実に興味深いものがあります。もともと大中国の属国、小中国として扱われていたのを朝鮮半島だけ切り離して、朝鮮として独立させたのは日清戦争後の日本だったんですね。つまり韓国としての国の歴史はそこが出発点だった・・色々眼からうろこのことが書いてあります。パレスチナ問題も色々な見解、掘り下げ方があるから・・たいへんなことですね。想像するばかりです。安倍の自民党復活となるのでしょうか!?

  1. 浜地道雄2012年 12月 14日 13:34

小林 さん、

Nitto さん、

話はあまりにも重すぎるので、私自身のコメントがまとまらないの

ですが、お二人に共通の「旧体制」への復活のこと。

(選挙中ですから、固有名詞を出してはいけないのでしょう)。

私は「日米同盟=軍事同盟の深化」を本当に恐れ、危惧しています。

 

【第203回】 DEIB ~ ハーバードの指針に学ぶ

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White House 発表

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女性を削除したユダヤ誌 (AP)


東京オリ・パラ組織委員会会長の森喜朗・元首相が2月3日のJOC議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。一連の発言が女性蔑視として追及され、陳謝したが辞任となった。グローバル・ビジネス展開上、心せねばならない課題だ。 

差別discriminate、排除excludeは論外として、(男女はお互いに)「違う/異なる different」ということは注意を要する。だが、現実社会生活にあって「老婆心」ながら言えば、例えば夫唱婦随。辞書によれば「夫が言い出し、妻が従う。夫婦仲がよいこと」とある。が、今や要注意。逆に婦唱夫随としても対等ではない。

となると、やはりdiversity多様性が腑に落ちる。 

このGender(性別)の根は人間の文化(宗教)史の深いところにあるわけだが、一神教で同根のキリスト教イスラム教そしてユダヤ教を見てみよう。 

まず、キリスト教旧約聖書の創世記2章22節Genesis 2:22には「女性は男性のあばら骨から作られた」とある。 And the rib, which the Lord God had  taken from man, made He a woman, and brought her un the man. (訳:King James Version)

イスラム教の聖書コーランクルアーン)にはもっとはっきり記されている。アッラーはもともと男と(女)との間には優劣をおつけになった:4章女38節」(井筒俊雄「コーラン岩波文庫)。Men shall have the preeminence above women, because of those advantages wherein Allah hath caused the one of them to excel the other. 「また、(生活に必要な)金は男が出すのだから、この点で男の方が女の上に立つべきもの」「だから、貞淑な女は(男に対して)ひたすら従順に」と続くーー。(尚、原文はアラビア語で、翻訳・解釈は多々ある) 

そして、ユダヤ教。その超正統派の週刊誌はこのジェンダー問題を視覚的にはっきりと示した。 米ニューヨーク市ブルックリンで発行されているDi Tzeitung(「時」の意)2011年5月1日号が、オバマ大統領と閣僚らが911テロの犯人と断定したビンラーディン容疑者殺害作戦の中継を見守る様子を写した写真からヒラリー・クリントン国務長官ら女性を「削除」して紙面に掲載した。 

この問題で同誌は9日、「女性蔑視の意図はなかった」と謝罪した。 編集部は「宗教上の理由から、女性の写真は載せないことになっている」と説明。「女性はその外観でなく、誰なのか、何をしたかで評価されるべき。ユダヤ教の規則では謙虚さへの尊敬であり、その反対(軽蔑)ではない」としている。“women should be appreciated for who they are and what they do, not for what they look like, and the Jewish laws of modesty are an expression of respect for women, not the opposite" 

人種の坩堝と言われる米国のNY発のこの「(古典的)性区別」はひとの心に潜む「異文化」の例と言えよう。 

時代は進み、同じ米国西海岸のボストンを拠点とするハーバード大学がDEIB綱領を掲げている。 Diversity多様性, Equity公正, Inclusion包含, Belonging所属(=皆が多様な個性を受け入れ、寛容性を共有できる組織)、を提案している。同大にはDEIB Personalized Learning Project (DPLP)があり、全ての関係者はこの指針に従わねばならない、とのこと。これは現代のビジネス推進上の指針としても浸透しつつある。 

と述べた上で気になるのは、森発言以降「男性による老害」がしばしば論議の遡上に載せられていること。筆者にはいささか居心地が悪いが、バイデン米大統領の78歳。多様性ということなら、オヤジの「年の功」Wisdom of the aged(拙訳)ももっと評価されてよいのではないだろうかーーー。 

(一社)日本在外企業協会「月刊グローバル経営」(APRIL2021)より転載、加筆

 

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