Global Business English File 拙稿第100回。2024年新年号ということで、過去記事review振り返りも少々交えながらprospect新年への思いを記した。
Review回顧
第1回(2007年1月号)
「RとL」を取り上げた。昔、勤務先のサウディ・アラビアの首都リヤドで米欧人に交じって夫婦で参加したコミック・オペラ。「Pirates of Penzance ペンザンスの海賊」はPilot船長とPirate海賊を取り違えて海賊船に預けられた少年の話。イギリス人でもRとLを取り違える!ひと安心(笑)。なるほど、と思い出深い。
【第6回】海賊にみる「RとL」考 - 浜地道雄の「異目異耳」
後年(2020)、NYCにおける「平和シンポジウム」で知の巨匠チョムスキーMIT教授に差し出した名刺に(Globalでなく)Grobalとしたミススペル! 優れた言語学者である同教授に「(RとL の間違いは)It‘s often the case よくあること。Don’t worry気にするな」と励まされたことも忘れられない。
第11回 (2008年1月号)
Orientはもともと「日が昇る方向」。ローマ世界から見るオリエント。中東地域で紛争の原因となっている「異文化・宗教について、カスピ海に面したアゼルバイジャン・バクーにおける「イスラム教徒とユダヤ教徒のクリスマスパーティー」を記した。
【第4回】Orient(日が昇る)に思う - 浜地道雄の「異目異耳」
はたまた、米大リーグで活躍中の野球選手ダルビッシュDarvish。その名はイスラム教シーア派の一派「回る宗教」であり、彼のfirst name「有=YU=アル」はシーア派の教祖Aliからなぞらえてることを父君(イラン人)から聞いた。
かくして見ると、今世界を混乱に陥れてるユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒の骨肉の争いを目にすると、「異文化・宗教の共生・共存」以外に解決はないと痛感する。
第23回(2009年1月号):
タイトルは「Parsiの商人」。世界的に活躍するイラン財閥TataグループはParsi族。即ちペルシャ=イランのヤズド地方の拝火教徒ゾロアスティアンだ。松本清張の「火の路」(シルクロード=絹の路と並ぶ)は、かの地から奈良・飛鳥に飛来する一大ロマンである。
筆者は商社勤務だった某年、「商売を探して来い」という上司の命令を受けて生まれて初めてのインドに出張した。インターネットの無い時代だが、インド最大の財閥がTataと知った筆者者は意を決して総帥ラタン・タタ氏をその本拠Bombay Houseに尋ねた。そこで、「(日本から売るのではなく)何か買うものはないか?」と尋ねた。即答されたのは「コンピュータ・ソフトウエア」だったーーー。 それがTCS Tata Consultancy Services社の日本進出の端緒である。 そこから、Tataはパルシー族であり、その雄大な物語に惹かれていった。
続く:2024年への展望。
【第340回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり(2/2) ~ 2024展望 - 浜地道雄の「異目異耳」 (hatenablog.com)
さて、中東、アジア、米欧での経験に基づくこれら筆者なりの蘊蓄、100編。読み切りとして、本稿右欄の「カテゴリー」に月刊グローバル経営掲載として収めてあり、是非のご高覧をお願いしたい。
*以上、各号それぞれオリジナルから転載・加筆した。
関連:(一社)在外企業協会・「月刊グローバル経営」