(はじめに)2023年度ノーベル賞にはいくつかの疑問がある。【第324回】2023年度ノーベル賞 - 浜地道雄の「異目異耳」
2022年2月に「勃発」した「ウクライナ・ロシア」紛争。「ロシアは悪」「ウクライナ可哀そう」というのが日本のメディア・世論の基調である。
が、筆者(浜地)はこの紛争は「勝(すぐ)れて宗教紛争」と主張してきた。
松本道弘氏とConstantinopleで語りあった「言葉と文化(宗教)」~ロシア・ウクライナ紛争に想う | ISF独立言論フォーラム
拙文の冒頭はパレスチナ(Ram Allah)訪問市民グループである。2012年11月15日。
【第204回】 中東和平対話を日本で(パレスチナ訪問記) - 浜地道雄の「異目異耳」
そして、今、10月7日、突如降って湧いたかの如く、ハマス(パレスチナGAZA地区を実効支配するイスラム抵抗運動)によるイスラエル攻撃、そしてそれへの反撃、応酬が報じられている。ここでは「ハマスはテロリスト」という位置づけが日本での報道・解説の主流だ。
が、ロシア・ウクライナ紛争と同様、その根の深さ(2000年間!)を考慮せねばならない。
【第209回】 日本主導で「オスロ合意」再構築を - 浜地道雄の「異目異耳」
(2013年10月 記) 2003年オスロ合意の基本理念は「共存」!
バレンボイム(ユダヤ人)と共に西東共存(オーケストラ)を訴えたサイード(パレスチナ人)が逝って、2003年9月、今年で20年!
【第182回】1989年私のワイマール ~ 西東詩集管弦楽団 - 浜地道雄の「異目異耳」
拙稿【第209回】に記したGAZA FIRST。そこは「オスロ合意」の仲介国としてのノールウエイであり、ノーベル平和賞授与国である。副題:The secret Norway channel to peace between Israel and the PLO
複雑なのはそのハマスを(反イスラエルの)イランが支援している実情だ。
折しも、10月6日、ノーベル平和賞がイランの女性人権活動家に授与と発表された(オスロ)。
その根にはヒジャーブ(モスリマ=女性イスラム教徒に課せられたスカーフ)の着用義務がある。勿論、収監(→殺人?)は論外としてー。
イスラムの絶対生活訓、聖クルアーン24章 御光 31節: 「外に表われるものの外は,かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に垂れなさい」 (井筒俊彦訳、岩波書店)
それは即ちイスラム教原理に基づく絶対訓であり、他文化(宗教)圏・国から非難されるものではない。
即ち、このノーベル平和賞授与によりイラン政府が態度を「軟化」することはなく、事態はいよいよ「硬化」することが危惧される。
さあ、日本国として唯一できることは「九条」を掲げての「平和仲介」である。
【第208回】 中東和平に重大な握手 - 浜地道雄の「異目異耳」
(2013年9月 記)
そして、これらを総合して忘れてはならないのは「アメリカの対外軍事政策」の誤り。ベトナム、イラク、アフガニスタン、ウクライナ、イスラエルーーー。
【第294回】イラク侵攻から20年 ~ 風化させてはならない - 浜地道雄の「異目異耳」
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