浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第326回】 パレスチナ・イスラエル紛争 ~ 「共存」に向けて日本が平和仲介を!

(はじめに)2023年度ノーベル賞にはいくつかの疑問がある。【第324回】2023年度ノーベル賞 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

2022年2月に「勃発」した「ウクライナ・ロシア」紛争。「ロシアは悪」「ウクライナ可哀そう」というのが日本のメディア・世論の基調である。

が、筆者(浜地)はこの紛争は「勝(すぐ)れて宗教紛争」と主張してきた。

松本道弘氏とConstantinopleで語りあった「言葉と文化(宗教)」~ロシア・ウクライナ紛争に想う | ISF独立言論フォーラム

拙文の冒頭はパレスチナ(Ram Allah)訪問市民グループである。2012年11月15日。

【第204回】 中東和平対話を日本で(パレスチナ訪問記) - 浜地道雄の「異目異耳」

市民グループ(前列中央山元雅信リーダ、後列中央松本さん、右端筆者)

そして、今、10月7日、突如降って湧いたかの如く、ハマスパレスチナGAZA地区を実効支配するイスラム抵抗運動)によるイスラエル攻撃、そしてそれへの反撃、応酬が報じられている。ここでは「ハマスはテロリスト」という位置づけが日本での報道・解説の主流だ。

が、ロシア・ウクライナ紛争と同様、その根の深さ(2000年間!)を考慮せねばならない。

【第209回】 日本主導で「オスロ合意」再構築を - 浜地道雄の「異目異耳」

(2013年10月 記) 2003年オスロ合意の基本理念は「共存」!

バレンボイムユダヤ人)と共に西東共存(オーケストラ)を訴えたサイードパレスチナ人)が逝って、2003年9月、今年で20年! 

【第182回】1989年私のワイマール ~ 西東詩集管弦楽団 - 浜地道雄の「異目異耳」

拙稿【第209回】に記したGAZA FIRST。そこは「オスロ合意」の仲介国としてのノールウエイであり、ノーベル平和賞授与国である。副題:The secret Norway channel to peace between Israel and the PLO

複雑なのはそのハマスを(反イスラエルの)イランが支援している実情だ。

折しも、10月6日、ノーベル平和賞がイランの女性人権活動家に授与と発表された(オスロ)。

その根にはヒジャーブ(モスリマ=女性イスラム教徒に課せられたスカーフ)の着用義務がある。勿論、収監(→殺人?)は論外としてー。

イスラムの絶対生活訓、聖クルアーン24章 御光  31節:  「外に表われるものの外は,かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に垂れなさい」  (井筒俊彦訳、岩波書店

それは即ちイスラム教原理に基づく絶対訓であり、他文化(宗教)圏・国から非難されるものではない。

即ち、このノーベル平和賞授与によりイラン政府が態度を「軟化」することはなく、事態はいよいよ「硬化」することが危惧される。

さあ、日本国として唯一できることは「九条」を掲げての「平和仲介」である。

【第208回】 中東和平に重大な握手 - 浜地道雄の「異目異耳」

(2013年9月 記)

 

そして、これらを総合して忘れてはならないのは「アメリカの対外軍事政策」の誤り。ベトナムイラクアフガニスタンウクライナイスラエルーーー。

【第294回】イラク侵攻から20年 ~ 風化させてはならない - 浜地道雄の「異目異耳」

 

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