浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第208回】  中東和平に重大な握手

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オスロ合意 (1993)

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オスロ合意検証



 

2013年9月

 

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イスラエルパレスチナ両大使の握手

この三つの写真は世界を揺るがす中東紛争の根にある「パレスチナイスラエル」の和平という観点からして象徴的である。

上は言うまでもなく、丁度20年前、1993年9月13日、ノルウエイが仲介しての、いわゆる「オスロ合意」におけるアラファットPLOパレスチナ解放機構)議長とラビン・イスラエル首相の握手だ。中に立つのはクリントン米大統領

下は2013年9月28日、東京・品川区の日本UNICEFにおける、イスラエルの新任駐日ルツ・カナノフ(Ruth Kananoff)大使と、パレスチナ駐日ワリド・シアム(Walid Siam)大使との握手だ。
もう一人はロレーヌ・リーヴァイ(Lorraine Lev’y)監督。その映画「もう一人の息子、原題:La fils de l’Ature」の試写会の場である。

(筆者も取材を申し込んだが満員とて果たせなかったが、下記に詳しい。写真も同URLより)
http://www.unicef.or.jp/library/report/sek_rep73.html

10月19日から公開される映画「もう一人の息子」は出生時に取り違えられたパレスチナイスラエルの子供、という象徴的な物語。
http://www.moviola.jp/son/

この「注目すべき握手」を知っていた筆者は、しかしまた中東問題の複雑さを知るだけにやや躊躇しながら、10月9日、都内大学にて開催された「イスラエル・ビジネス・フォーラム」に出席だったカナノフ大使に「和平対話を視野にいれての西東詩集管弦楽団の日本招聘の夢」を述べた。

大使はそれを率直に評価してくれ、「今後とも、その進展を聞かせてくれ」と前向きに反応してくれた。

同大使は「パレスチナとの和平」について、9月24日、日本記者クラブでの公開インタビューで(ことの難しさを知る筆者には)驚くほど、フランクに前向きに語っている。
http://www.youtube.com/watch?v=Gor5vMzvDGM      (28:00 分から40:00分)

さて、既報、10月12日からの三連休の「オスロ合意検証」シンポジウムは日本人から見ると、まるで大ゲンカのごとく口角泡を飛ばしての「超白熱論争」だった。

【第209回】 日本主導で「オスロ合意」再構築を - 浜地道雄の「異目異耳」


それだけ、ことは複雑、困難ということだが、それでも「共存」しかありえないことは両者ともよく分かっている。
(その二日目、大論戦の会場で静かに傍聴していたシアム・パレスチナ大使の姿を筆者は見逃さなかった)

日本が仲介しての「和平対話」と何とか実現したい。

【第221回】 日本が主導すべき中東和平問題 - 浜地道雄の「異目異耳」

それが日本がグローバル・リーダの一員としての重大責務である。

9月11日、安倍首相へのグローバルな期待 – 中東和平 - JanJanBlog


それの象徴としての「西東詩集管弦楽団」(バレンボイム指揮)の日本公演も何とか実現したいと筆者の「とんでもない構想」は広がる。

【第182回】1989年私のワイマール ~ 西東詩集管弦楽団 - 浜地道雄の「異目異耳」

おりしも、駐日米国大使キャロライン・ケネディー女史の日本赴任が近い。楽観的に過ぎるとのそしりは覚悟の上で、リベラル、人権派の同大使にあっては、「外交経験不足」を敢えて前向きに捕えて、この世界的難題の仲介にソフト・パワーをもって「トモダチ参画」をしてほしい。

同年4月29日、安倍首相がNYの国連総会で演説した「積極的平和主義」とは、本来これに他ならない。

【第74回】 Proactive考 〜 安倍首相の米議会演説に見る「意図的誤訳」 - 浜地道雄の「異目異耳」