浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

「月刊グローバル経営」掲載

【第352回】Lone Survivorが語る日米友好史

日米友好の風物詩、米国首都ワシントンDCで開催される桜祭りCherry Blossom Festival。 今2024年は3月20日~4月14日。2,000本の桜が開花し、150万人の人出が見込まれる。 1912年、当時のTaft大統領に東京市(尾崎行雄市長)から贈った桜は今や、ポトマック河…

【第339回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり~review回顧とprospect展望(1/2) 

Global Business English File 拙稿第100回。2024年新年号ということで、過去記事review振り返りも少々交えながらprospect新年への思いを記した。 Review回顧 第1回(2007年1月号) 「RとL」を取り上げた。昔、勤務先のサウディ・アラビアの首都リヤドで米欧…

【第340回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり~review回顧とprospect展望(2/2)

承前:review回顧。 【第339回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり(1/2) ~ review - 浜地道雄の「異目異耳」 2024年はleap yearうるう年。オリンピックの年であり、又、米国の大統領選挙だ。大統領と副大統領候補は(pairあるいはcoupleではなく…

【第332回】情報過多の時代~Whistle Blowerの勇断

1984(1Q84)年はアップル社のマッキントッシュ発表に象徴される如く、世界の情報産業に画期的な年であった。 筆者(浜地)個人にとっても、長年の商社勤務から情報ビジネスへの転職に向けてきっかけという忘れられない年である。 【第43回】 「1Q84」年:Appl…

【第320回】AIを駆使・管理するのはHI=人間の知力

昨今、疾風のごとく登場、活発な「生成AI」論議。だがそれは一過性のものではなく、その根には、「情報」「通信」という長い歴史があり、はたまた、グローバル社会にあって将来を見据えての「管理」という深い命題である。「偽情報の混入」「(個人・企業)…

【第306回】  Juneの花

アメリカ東海岸の冬は寒い。が、それも3月まで。 4月には首都ワシントン、ポトマック河畔でにぎわう日米友好の象徴、桜祭り。1912年、時の東京市長尾崎行雄らが寄贈したのがいまや全米に広がっている。 【第202回】 桜に見る「日米友好」 - 浜地道雄の「異目…

【第297回】ダーウインに習う「Hybrid人材」

はじめに: ハイブ・リット! 村上春樹ハイブ・リット (アルク社) 英語教本のタイトルを知って何ごと?と思った。 村上春樹氏の翻訳家としての教材だ(アルク社)。「世界的作家からの英語文学へのインビテーション」とある。同氏が偏愛翻訳した短編小説と…

【第287回】 兎年 = Annus Mirabilis へ

Annus (年) Horribilis(ラテン語)~酷い(ひどい)年だった。 1992年11月24日、英国エリザベス女王が戴冠40周年で、ギルバートホールで行ったスピーチである。同年4月娘が離婚、6月ダイアナ妃の暴露記事の連載、夏には次男が妻と別居。スピーチの4日前、女…

【第280回】 Cultに遭(あ)った明治期のグローバル志士たち

筆者の古い経験的にはビジネス上「政治と宗教の話は不可」といった不文律があった。が、やはり時代は変わった。グローバル時代にあっては論争Debateは別として「異文化(宗教)・歴史(治政)」の知識・認識なしにはことは成り立たない。 その観点からして、…

【第272回】DX時代の「同じ釜の飯を喰った仲間」アルムナイAlumni

9月。米国生活での特記すべき思い出はわが子の大学入学だ。 と言っても、日本のような父兄の式への参加は無かったがー。日本の高校途中から米国に渡りまだ二年のわが子がNYCマンハッタンの大学に入学した時に学んだCulture Gapはその入学システムだ。 大学入…

【第257回】松本道弘氏とConstantinopleで語りあった「言葉と文化(宗教)」  ~ ロシア・ウクライナ紛争に想う

ファイヤード首相にインタビューする松本氏 (筆者撮影) 同時通訳の草分け、松本道弘氏が逝った(3月14日、82歳)。「武士道Bushido: The Soul of Japan(新渡戸稲造)」に準えて「英語道場」を主宰、Debateの重要さを啓蒙してこられた。数ある著書の中で「ge…

【第250回】OSINT時代に想う「情報」と「知力」= Intelligence

OSINT Guide : Nicholas Crowder (著) 四月。April foolの起源にはペルシャやインドの風習などいくつかの説があるがユーモアがベースだった。 現在、それはビジネス(広報宣伝)にも使われることがある。昨2021年、米国Volkswagen社はVoltswagenへの社名変…

【第243回】2022年:ICT 推進の要(かなめ) ~ 異文化理解・多文化共生

(左)iU中村伊知哉学長と (右)キャンパス横、スカイツリーが見える 縁あって、iUで「多文化理解」の授業を受け持った。iUとは「情報経営イノベーション専門職大学」(中村伊知哉学長)。ICT・情報をベースに起業を奨めるというユニークな新設校だ(キャンパ…

【第235回】 コレポンの鏡 ~ 「?」⇔「!」

Les Miserableのポスター 世界を混乱させるコロナパニック。10月に入っても収まりそうにない。 多くの「被害者」が出て社会問題になってるが、芸術の世界も例外ではない。 所はNYCマンハッタン、約40の劇場が集まるブロードウェー。コロナ前、国内外から週25…

【第224回】 五輪・コロナに思う ~「安全」と「安心」は別もの

出所:Awakend_Citizen 出所: Awakened_Citizen 出所: Awakened_Citizen 特記:本稿は「コロナは怖くない」と主張するものではなく、F.ナイトの不確実性論の通り、「エビデンス(証左、統計)に基づき、正しく知り、正しく恐れよう」という提案です。 4年…

【第215回】 VUCAの時代:あいまい(ambiguous)な日本の私

The People Side より 大江健三郎氏のノーベル文学賞受賞スピーチ 世界を揺るがすCOVID19新型コロナ・パニック。 筆者が、シカゴ学派の碩学F.ナイトの名著『Risk, Uncertainty and Profit危険・不確実性および利潤』(1921)に基づき、日本における「Evidenc…

【第205回】 新型コロナは本当に怖いのか  ~ COVID19で想うFナイトの「不確実性」論

F.ナイト 「リスク、不確実性および利潤」1921 初めに結論を: 奇跡的に少ない日本の死亡者(数)。しかるになぜワイドショーをはじめ、毎日毎日、「感染、感染、感染」と恐怖を茶の間に注ぎこむのだろうか。 (PCR)検査 ≠ 陽性 ≠ 感染 ≠ 発病 ≠ 重症 ≠ 死…

【第203回】 DEIB ~ ハーバードの指針に学ぶ

White House 発表 女性を削除したユダヤ誌 (AP) 東京オリ・パラ組織委員会会長の森喜朗・元首相が2月3日のJOC議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。一連の発言が女性蔑視として追及され、陳謝したが辞任となった。グロー…

【第202回】 桜に見る「日米友好」

出所:nippon.com 横浜元町にある 「シドモアの桜」牌 春。桜。美しい日本の象徴。 (広辞苑でも)古来、花王と称され、わが国花とし、古くは「花」といえば桜を指した。 花見とは花(おもに桜)を見てあそびたのしむこと=花逍遥。とある。 何とも優雅な表現…

【第181回】米大統領 〜 Fat Lady への期待

fat lady 2021年1月1日 Cooper Union 2020 年 11月3日(火)の POTUS 米大統領選挙。 以後、何やら混迷の様子を伝える某紙の見出し はこうだ。 “The game is never over until the fat lady sings.” 太った女性が歌う? 調べると、例えばワーグナーの長編オ…

【第124回】GIGA構想に期待する「世界と共に」

2020年11月1日 安河内哲也氏の熱弁 11月9日。今は昔となったが、1989年のこの日にベルリンの壁が崩れた。この年、ベルリンで行われた日本の政府機関主催「日本情報会議」に出席した。壁が崩れる2週間前だったのだが、現場にいる誰も直後の大事件を予知してな…

【第123回】いよいよPOTUS戦 〜 赤か青か?

2020年9月1日 バイデン前副大統領による声明(TBS) POTUS。なじみのない単語をOED(『オクスフォード英英辞典2002』)で引くと、(the) President Of The United Statesとある。なるほど、頭文字をとるとそうなる。 この米大統領の本選挙が、いよいよ11月3日(…

【第122回】コロナで想うナイトのUncertainty

2020年6月1日 "Risk, Uncertainty and Profit" by Frank H. Knight 新型コロナウイルス Novel Coronavirus Disease (COVID-19)が世界を恐怖に陥れ、ビジネスや教育はじめ社会システムを崩壊に導いている。そこで使われている英語を点検してみよう。 まず、No…

【第121回】オマーンに思う「キチンとした英語」

2020年4月1日 ブサイナ王女会見記を含む「アラビアの王様と王妃たち」 本年はじめ1月11〜15日、安倍晋三首相夫妻は日本の石油輸入の9割を占める中東での「友好仲介」を調って、サウジアラビア、UAE、オマーンを訪問した。オマーンは日本人にはあまりなじみの…

【第120回】REIWA 2 に思う温故知新

2020年1月1日 朝日新聞社提供 REIWA2(令和2年)と言っても、もちろん global には通じない。とはいえ、暦・年号は日本のみならず世界それぞれの国地域での重要な local 文化だ。 年号が昭和から平成に変わって5年目、1993年の1月7日。NYC マンハッタンにおけ…

【第119回】Fraternity 友愛 〜 欧州連合の原点

2019年11月1日 ウィーンのPAN・EUROPA事務所にて 本年5月、筆者はプラハとウィーンに、クーデンホーフ=カレルギー伯爵、Graf Richard Nikolaus Eijiro Coudenhove-Kalergi (1894〜1972)の足跡を訪ね、業績を偲んだ。 この“Eijiro”(栄次郎)とは、欧州連合(EU)…

【第118回】五輪のLEGACY

2019年9月1日 TOKYO GLOBAL GATEWAY(掲載許可済み) ちょうど50年前、1969年の7月20日。アポロ11号による人類初の月面着陸の日だ。 この時のニール・アームストロング船長の言葉は緊張感に満ちている。“Houston, Tranquility Base here. The Eagle has land…

【第117回】「上海マグレブ」に学ぶ

2019年6月1日 Maglev 国際都市上海、生まれ故郷。と言っても4歳まででの引揚げだから確たる記憶はない。が、両親の昔話やわずかに残された写真から格別の思いがある。某年、親父が余命短しと医者から告げられ、最後の親孝行と家族旅行 を試みた。折しも「反…

【第116回】夢の THE GHAN

2019年4月1日 THE GHAN 兼高かおるさんが亡くなられた (1月5日)。 TBS系「兼高かおる世界の旅 (当初は「兼高かおる世界飛び歩き」) 』は1959年以来、 31年間にわたり計1586回放送され、移動距離は地球180周分、訪問国は150カ国あまり。 東京オリンピックの5…

【第115回】ボランティアの州 〜 Tennessee

東京・戸越のバーで 2019年1月1日 Jack Daniel's Bar (東京・蔵前) JackDaniel'sは米国のバーボン·ウイスキーだ。 そのラベルにはTennessee WHISKEY (スコッチwhisky とはスペルが違う)、LYNCHBURG TENNとある。Tenn とは Tennessee州でその Moore郡 Lynch…