浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第123回】いよいよPOTUS戦 〜 赤か青か?

 

2020年9月1日

 

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バイデン前副大統領による声明(TBS)

POTUS。なじみのない単語をOED(『オクスフォード英英辞典2002』)で引くと、(the) President Of The United Statesとある。なるほど、頭文字をとるとそうなる。

この米大統領の本選挙が、いよいよ11月3日(第一月曜日の翌日の火曜日)に行われる。

4年ごとのうるう年 Leap Year、オリンピックイヤーにおける重要な行事だ(今年はコロナ禍で延期されたわけだが)。

前回のPOTUS選は4年前、2016年11月8日(火)だった。その前哨戦の民主党大会。8月15日、ペンシルバニア州スクラントン市におけるヒラリー・クリントン候補 (元国務長官) への応援演説でのバイデン副大統領(当時)のセリフは日本人にとって特記すべきものだ。

"Does he not understand we wrote Japan's Constitution to say that they could not be a nuclear power?" ここでの「he」は共和党ドナルド·トランプ候補を指す。彼の発言に対する強い批判だ。「核武装を禁止した日本国憲法を我々米国が書いたことを、彼は理解してないのか」。「トランプ氏は学校で習わなかったのか。彼は判断力が欠如しており、信用できない。核兵器を使用するための暗号を知る資格はない」。 

日本国憲法核兵器のことには触れてない。また、「日本国憲法は米国がつくった」というより、「戦争放棄の第九条」については、幣原喜重郎当時首相の提案をGHQマッカーサが受け入れた、というのが史実であろう。 

が、このバイデンのトランプ批判は重要だ。即ち、この「トランプ氏の発言」とは、日本(および韓国)の核武装容認を指す。例えば、これをさかのぼる同2016年3月29日、ウィスコンシン州ミルウォーキー市でのCNNの共和党民集会での発言だ。 "Japan (and Korea) might need to consider obtaining nuclear weapons in the future." (両国は将来、核兵器導入を検討するだろう)。

トランプ大統領は本年7月16日、世界で最初の核実験 (1945年「トリニティ核実験」、その1カ月弱後に、広島長崎!) 75周年に向けての公式声明のなかで、"remarkable feat of engineering and scientific ingenuity"(科学技術上の偉業だ) と称賛した。

一方、バイデン氏は8月6日、広島への原爆投下から75年の節目にあわせて出した声明の中で、"I will work to bring us closer to a world without nuclear weapons, so that the horrors of Hiroshima and Nagasaki are never repeated," (広島と長崎の恐怖を決して繰り返さないために、核兵器のない世界に近づくよう取り組む)と表明。オバマ前大統領が掲げた「核なき世界」の理想を引き継ぐ考えを明確にした。

 以上を要するに、核兵器推進、推奨のトランプ論を受け入れるわけにはいかない。

さあ、いよいよ経済ビジネスをはじめ、世界を決定的に方向づけるPOTUS戦。青(民主党)と出るか赤(共和党)と出るか、固唾を飲む思いである。オバマ政権で国務長官を務めたジョン・ケリーの言葉は傾聴に値する。「アメリカは青でも赤でもない。青・赤・白でUniteされるべき」。確かに United States of Americaの国旗は青・赤・白である。 

そして、日米関係で重要事項。そのトランプ米大統領ノーベル平和賞に推薦したのが安倍晋三首相。それ(推薦状=美しい5枚の手紙)は公文書であり、公開すべきもの。それにより安倍政権の(核に対する)姿勢が明らかになろう。 

http://jicl.jp/hitokoto/backnumber/20190722.html (拙稿中2. ノーベル平和賞

 

 

 

 

JOEA 「月刊グローバル経営:Global Business English File 83」より転載・加筆