承前:review回顧。
【第339回】「月刊グローバル経営」寄稿第100回にあたり(1/2) ~ review - 浜地道雄の「異目異耳」
2024年はleap yearうるう年。オリンピックの年であり、又、米国の大統領選挙だ。大統領と副大統領候補は(pairあるいはcoupleではなく)ticketと呼ばれる。
【第123回】いよいよPOTUS戦 〜 赤か青か? - 浜地道雄の「異目異耳」
今回はバイデン氏「青=民主党」かトランプ氏(赤=共和党)か、はたまた別の若手が登場か、と議論がかしましい。
やはり、唯一の被爆国、日本の国民の一人として強く懸念するのは、核実験を賞賛し推進をと主張するトランプ氏が返り咲く可能性があることだ。
さらに、ウクライナ・ロシア紛争とともに世界を大混乱させているパレスチナ(ガザ、ハマス)対イスラエルの行方が注目される。ここはやはり「オスロ合意」(1993)の基本「両者共存」に立ち返る以外は無かろう。
【第330回】パレスチナ・イスラエル紛争に日本は平和仲介を! - 浜地道雄の「異目異耳」
生成AI/chatGPTへの懸念:
そして、重要課題はglobal businessに直結する「情報過多」への対処。2022年11月に突如出てきたchatGPTをはじめとする生成AI。
2023年4月、神田外語大学の宮内孝久学長(元三菱商事副社長)は大学入学式において4,000人の新入生に対しchatGPT、AI依存への危険性を訴え、「自分で調べ、学ぶこと」とcritical thinkingを式辞訓示をしたという。その慧眼は賞賛に値する。
いよいよ盛んになる生成AI論を注視しているが、著作権の侵害可能性と、その驚異的な利便性の陰に「偽情報」が隠れていることは銘記すべきだ。HI (Human Intelligence)人間の知力を磨かねばならない。
留意すべきはhallucination幻覚、思い違い。AI自身に「悪意」はないものの、素晴らしいストーリー(画像)を提示してくるので一見して信じてしまう。だが、それはつくられた「虚像」かもしれない。
ビジネスの世界にあっては偽情報による帳簿の間違い、企画、戦略の間違い、また建築・耐震設計の間違いは一大惨事の可能性を秘めている。
東京・西蒲田にある「バーボンロード」が以前から気になっていた。
そこでchatGPTに尋ねてみたところつぎのような明快な回答が返ってきた。
「アメリカ合衆国ケンタッキー州で生産されるウイスキー、バーボンに由来する。蒲田のバーボンロードの名前はこの地域でバーボン・ウイスキーが広く愛飲され、取引されたことを反映している(可能性が高い)」。
見事な回答だ。
だが、地元のHPによると、「昭和時代のある日、当時の飲兵衛店主たちがバーボンを片手に(焼酎かも)適当に決めてしまったというのが最も有力な説」(ママ)とある。
そこで、筆者は楽しい推測をする。
米国ニューオルリンズには歴史的盛り場「バーボン・ストリート」があり、Barや飲食店がひしめいている。西蒲田の飲兵衛親父たちの中にハイカラで酔狂で、いやいや博識なのがいて、それにあやかったのであろう、と。
因みに、バーボンとはフランスの名家ブルボンに由来する。ニューオルリンズはかってフランス領だった。
Visit Bourbon Street - New Orleans - New Orleans & Company
私的な小さな実験ではあるが、The devil is in the detail。悪魔は細部(さいぶ)に宿る。改めて心せねばならない。
関連拙稿:
【第320回】AIを駆使・管理するのはHI=人間の知力 - 浜地道雄の「異目異耳」