浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第209回】 日本主導で「オスロ合意」再構築を

 

2013年 10月 13日

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熱く語る(元)交渉担当者



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息詰まる交渉記録



 

真夏日。三連休の今、「オスロ合意検証」での討議も熱い。

国際ワークショップ「オスロ合意再考―パレスチナとイスラエルに与えた影響と代理案―」|NIHUプログラム・イスラーム地域研究東京大学拠点12、13日、於: 東京大学

http://www.kikou.waseda.ac.jp/ias/research/nihu2.php?id=760
14日、於 早稲田大学

世界を揺るがす中東紛争は「パレスチナイスラエル問題」に帰結する、というのが
筆者の長年の強い主張だ。即ち、これの解決なくして、世界の平和はない。

その「共に天を仰がず」のイスラエルパレスチナという敵国同士が和平への握手をしたのが、1993年9月13日の「オスロ合意」である。

この和平合意に至るまでの秘密交渉の行き詰まるような背景を描いたドキュメンタリーが「GAZA FIRST」だ。(Jane Corbin, Bloomsburry Publishing, 1994。邦訳「ノルウェー秘密工作」新潮社、訳:仙名紀)。

その副題The secret Norway Channel to peace between Israel and the PLOのとおり、仲介国は人口500万人の小国、ノルウェー
http://voicejapan2.heteml.jp/janjan/world/0912/0912033966/1.php
(スエーデンが本拠のノーベル賞の、平和賞だけがノールウェイで授与される)

文中にある、イスラエル側交渉担当者だったロン・プンダク(Ron Pundak)氏が12日、登壇した。もの静かな同氏は壇上に上がると大きな身振り手振りを交えて「両者には共存しかない」と熱情的に語る。(本人、主催者許可を得て撮影)

聴衆のパレスチナ人からの「しかし、(イスラエルは)残虐な行為をしてるではないか?」という激高の「論戦」には、ややトーンを下げ、「『だからこそ対話を』と、私は主張している。だからこそ私はいま『パレスチナイスラエル和平NGOフォーラム』の共同代表をしている」と答える。 両者の激しいやりとりに、問題の深さを痛感する。

このオスロ合意は、しかし、スタートすぐにも反古とされ、この20年間行き詰った和平は、いよいよ混迷を深めている。

だからこそ、日本(中立、経済大国、中東市民に好かれてる)が中東和平対話の
リードをすべき、日本こそが「オスロ合意」の再構築を、というのが筆者の「とんでもない」提案である。

そのきっかけつくりは、バレンボイムユダヤ人)と故サイードパレスチナ人)が創設したアラブとイスラエルの若き優れた音楽家の「西東詩集管弦楽団」(2011韓国で演奏をしたがJapan Passing)。その日本公演を何とか実現したい。
http://voicejapan2.heteml.jp/janjan/world/0901/0901115149/1.php