浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第225回】ビンラーデン水葬から「護憲法9条」へ(後)

承前:

【第223回】 ビン・ラーデン水葬から「護憲法9条」へ(前) - 浜地道雄の「異目異耳」

                                        ビンラーデン水葬から「護憲法9条」へ(前)

 

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イスラム教徒の絶対生活訓「コーラン」(岩波文庫

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一般選挙の難しい「男の世界」(カブール、浅井聡氏撮影)

 (以下、2008年1月22日付け過去拙稿を基に再製) 

 

本議論の大前提は「日米同盟は軍事同盟だ」ということだ。

友好同盟でもなく、経済同盟でもなく、金融同盟でもなく、海運同盟でもなく、科学同盟でもなく、文化同盟でもなく、人権同盟でもなく、「日米同盟は軍事同盟だ」。

これが話の原点だ。こう、明確に共通認識・理解しないと「日米同盟の深化(の可否)」は語れない。

東北大震災で示した米軍の「トモダチ作戦Operation Tomodachi」に感動して、「日米同盟の深化」の声がでているが、これはこの点で混乱した論拠である。  これすなわち、軍事同盟を深めるということと同義語だと認識しているのだろうか? 

仕事柄、筆者には米国人トモダチは多い。皆、それぞれ、異見・異論をもちながら、しかし、日米の共通認識として、友好関係を、経済関係を、金融関係を、海運関係を、科学関係を、文化関係を、人権関係を深化させようと思っている。しかし、軍事関係を深化させようと主張するトモダチは皆無だ。

この「日米同盟は軍事同盟だ」という共通認識・共通理解にたって、「憲法9条」問題を議論しよう、というのが筆者の主張であり、提案である。

まず、今回のオバマ大統領の指示のもと、ビンラーデンを「水葬」にした米軍部隊への疑問がある。 そもそもこの仕業(しわざ)が国際法違反である、という論議に加えて、「異文化理解の欠如」に立った、武力愚挙行為である。

これは過去のブッシュ(前)大統領の、中東政策における米国の軍事作戦の失敗と寸分たがわない「素晴らしいアメリカの陰(かげ)の部分」だ。

【第222回】 ビンラーデンを「水葬」にした愚挙 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

拙稿(2012年5月3日):「勝てない戦い」からは、直ちに撤兵を求めたい  

「中東・イラク侵攻」は勝てない文化侵略、宗教戦争である。                                             「宗教戦争」に勝利がないことは歴史が示している。                                                       「勝てない戦い」への派兵は愚である。                                                    従い、直ちに撤兵をすべきである。

改憲説の真髄は第九条にある。そこで制限されている自衛隊の立場、要するに海外派兵を正当化することにある。なぜ兵力を海外に派遣するか? 米ブッシュ政権の「強い要請」があるからである。
 米国内においても、この国連決議のないブッシュ政権の恣意的戦争に反対する声は高まりつつある。ブッシュ政権以後をも考えると、改正した憲法だけが残る可能性が大であり、なし崩しの結果的暴走の危険性がある。


 現行憲法第九条を「金科玉条」として主張することが世界第二の経済大国のとるべき道である。

 

関連拙稿:

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【第222回】 ビンラーデンを「水葬」にした愚挙 - 浜地道雄の「異目異耳」

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