浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第190回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(7)

 

 

(2018.6.4 JICL法学館憲法研究所に寄稿

 

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控室で、羽場久美子教授(主催)、木村朗教授と共に

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ガルトウング教授講演(通訳は奥様)

 

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鳩山由紀夫元首相も加わり、討論会



 

 


「平和学の父」ガルトウング教授の積極的平和論

 

 NYCでの国際平和会議で、「世界の良心」N.チョムスキー教授に思いがけず再会、「九条は世界の宝」「トランプ追従の安倍政治は危険」との言明を得たのは、5月12日でした。  (本欄、拙稿、2018年5月21日付 https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2021/02/02/112833

 そして、帰国後間もない5月25日、今度は「平和学の父」J.ガルトウング博士に再会。「九条の精神で地球憲章を」と主張する私は大いに励まされました。
 同博士は、青山学院大学国際研究センター主催(共催:鹿児島大学)での講演会にて、鳩山友紀夫元総理と共に「アジアの平和をどう作るか?」を強く語りました。

 そこでは、「戦争による平和構築は時代遅れ」と喝破。また、「世界で米国の影響力が低下している」と指摘、「日本はそれに追随すべきではない」と警鐘を鳴らし、これは先のチョムスキー教授の言葉と重なり、時空を超えての共鳴と筆者(浜地)には映りました。

 また、東アジア共同体の構築の必要性を訴え、「沖縄を共同体の拠点機能とするという視点もある」と持論を展開、他方、鳩山友紀夫元総理も「北朝鮮の脅威もかなり誇張された形で言われてきた。今必要なのは対話を通じて平和を作っていこうという方向だ」と強調しました。
 さて、言うまでもなく、ガルトウング博士は「積極的平和主義」の提唱・推進者として世界的に認められており、その安倍政治(地球儀俯瞰外交・安保法制・集団的自衛権憲法改正)への疑問は大いに理のあるところ。 

 就中、拙稿に見るごとく、安倍総理の「積極的平和」論は「(意図的)誤訳・誤用」であり、これは現下の政局にあって、厳しい論議の必要性を訴えねばならない、との思いを強くしました。https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2020/09/13/000000

 思いがけず、講演会の当事者である与那覇恵子(名桜大学)、木村朗(鹿児島大学)両教授に再会、護憲を確かめ合えたのも幸運でした。

 

関連拙稿:ガルトウング教授が創設のPRIO 

【第193回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(10) - 浜地道雄の「異目異耳」