浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第239回】日本の英語教育が目指す未来~吉田研作教授講義

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年末近く、12月19日(日)、吉田研作上智大学名誉教授・日本英語検定協会会長を主講師とするEF Education Forumに参加、日本の「英語教育」の歴史をレビューし、「これから」に向けての示唆を得た:

日本の英語教育が目指す未来    第4回EF Education Forum

話は、明治以来の英語教育論に続き、筆者(浜地)にとっても原点である「渡邊・平泉」論争(1975)から始まる:

この大論争を簡単に記すことは容易ではないが、渡邊氏の文法・語彙の習得と訳読による読解力を優先すべきという考え方と、平泉氏のコミュニケーションを重視という考え方の大きな対立と言えよう。

社会人になるまで「ESS English Speaking Society」という言葉すら知らなかった筆者(浜地)は、しかし、漠然と海外にあこがれ商社に入社。国内繊維営業ののち、貿易研修を受け、石油部に配属されて「中東(駐在)に放り出され」た。そこで初めて切実な実感として「言葉(英語)」の重要性を認識した次第、と告白せねばならない。【第121回】オマーンに思う「キチンとした英語」 - 浜地道雄の「異目異耳」

ゆえに、軍配を平泉氏はたまた渡邊氏どちらに上げるべきかの判断能力はないが、現地実体験よりすれば、両者組み合わせての「多文化、異文化理解=お互い違うのだ、ということの理解」こそが重要と痛感する。【第210回】 グローバル化への必須項~イスラーム文化の理解 (1/2) - 浜地道雄の「異目異耳」

さて、吉田教授の講義で示したハイライトは、このグローバル化の時代、「『金魚鉢』の中での生活から『大海』に出て逞しく生きる」だ。添付:高校(英語)授業における時間配分/%。出所:中高生の英語指導に関する実態調査 (Benesse、2015 )

前述「渡邊・平泉」論争というあの時代から半世紀、世界の進展、変化を加味した実務的な指標が「目指す未来」を顕著に語っている。

因みに、2014年3月、吉田教授の示唆で、チョムスキーMIT教授の来日講演/懇親会に参加できたことは忘れられない。【第59回】 チョムスキー教授来日講演 〜 世界平和への共鳴 - 浜地道雄の「異目異耳」

関連拙稿:【第189回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(6) - 浜地道雄の「異目異耳」

 

吉田研作教授(向かって右)、阿部川久広iU教授(左)を挟んで (於:EF Japan 渋谷)

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