浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第36回】 番外編 「ブータンに日本の英語教育の光明を見る」


2011年11月28日

新婚一か月という国賓ブータン国王夫妻が日本に爽やかな旋風を運んでくれた。

国民総生産(GDP)という経済的な指標では測れない幸福度指数、GHN「Gross National Happiness」。国民の95%が幸せと思う人口70万人(九州位の土地)の小さな国だ。

ひとことでいえば「穏やかなすがた」。誰もそれに意義異論はあるまいと、書いた。

【第141回】ブータン国王・王妃に学ぶ「国のかたち」 - 浜地道雄の「異目異耳」

「黒髪」の美しさ、国民から慕われる王室のかたち、幸せ度の高いデンマークにみる「信頼度」。

さらに、英語教育という観点からブータン国王夫妻の訪日のすがたに「光明」を見た思いだ。

国王の国会での心を打つ英語による演説:

大統領演説も、Steve Jobsの演説も素晴らしかったが、このブータン国王の国会演説こそ、恰好の教材とU-Tubeを探したが、吹き替えなしは見つからなかった。皮肉なことだ。)

同国王は米国の大学、および英オクスフォードで学び、王妃も英国留学経験があるとのこと。聞いてわかる「Non Native」英語だが、素晴らしいスピーチだった。

そして、調べて分かった。この伝統に守られたしあわせの国ブータンでは初等中等教育の段階から英語教育が施されているとのこと。それを教えるのは地元の教師、(いわゆる)Non-Native。重要なことに、教科書ではブータンの民族文化を教えている。 「小学校で英語教育を導入すると、日本文化を忘れる、ないし、軽視の方向になる」との論議(それも激しい応酬)が多い。しかし、それはすべて「中身次第だ」と言えよう。

つまり、問題は俗悪TV番組などに悪影響を受けた「言動、思考、および日本語そのもの」の乱れであり、「英語を学ぶことに起因する悪影響」とは別次元の話である。

ブータンの状況は、週刊STオンライン掲載の「世界の英語教室(著者 久田美菜)」に詳しい。

『世界の英語教室(小学校)』「ブータン編」Hello from Bhutan! (ブータンからこんにちは!)と、素晴らしい。

ジャパンタイムズ・週刊ST:『世界の英語教室 (小学校)』 [ブータン編]

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中に、ある日本人国際公務員小学校英語教育について「いつから教えるか、というのが問題ではなくいかに教えるかだ」というのは正当だ。これは男女4人の子供に米国で教育を受けさせた筆者の判断でもある。

写真(教科書の表紙と内容)の引用は同社(Japan Times)より許可済み。(感謝)

(社)日本在外企業協会 「グローバル経営」より転載・加筆

 

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