浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第83回】 番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演

 

2016年07月11日

【第83回】
番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演

以下、許可を得て、同会の報告を記します。
「当研究所でこのような内容が語られる事は初めてでもあった」とのこと。

折しものダッカ・ISテロ事件で、「コーランを知ってるかどうか」が
殺害対象の選択の基準であったよし。
まことにそのタイミングには我ながら驚かされます。

    = 記 =

第164回月例研究会
日 時:2016年6月25日(土)
場所:(財)日本英語検定協会 会議室
講 師:浜地道雄(一般財団法人グローバル人材開発顧問)
テーマ:「世界に通用する真のグローバルイングリッシュ」
―中近東・及び米国での仕事で学んだ国際人の条件―

講師の浜地道雄氏は、慶応大学経済学部をご卒業後に、グローバルに多角的な事業を行っている総合商社双日株式会社の前身であったニチメン社員時代に、石油部に配属され、イラン、サウディアラビア等の中東に長期間滞在して活躍された事がある。

今回の講演では、その時のご経験に基づいて、主として、中近東での仕事を通して体験した事を中心に、世界に通用するグローバルイングリッシュや国際人の条件などについて語られた。

講演の冒頭で浜地氏は、2013年に開催された異文化理解国際フォーラムでは「言語・異文化を学び、尊重することは、戦争を二度とするまいという願い」であった事を紹介された。浜地氏は、この国際フォーラムの紹介の中で、英語を始め、様々な言語とその背景にある文化を学ぶことは、世界平和に結びつく事であることを語られた。

 異文化を繋ぐ、世界共通語としての英語を話す人々との間でコミュニケーションを取る手段として使われる英語はGlobal Englishと呼ばれている。国際ビジネスコンサルタントでもある浜地氏は、Global English というコンセプトを体感し、尊重し、自分の英語をGlobal English として自信を持って使いこなせた時に、世界中の人々と対等にコミュニケーションがとれ、真の異文化交流が出来る英語話者になれるのではないかと語られた。

浜地氏は、イスラム教の聖典であるコーランの内容を取り上げて、豚を食べない事や酒を飲まないことなどを含めて、アッラーを崇拝するイスラム教について語られた。また、長い中東イスラーム圏との関係を通じて、交友を維持してきたビジネスマンとして、グローバル時代での異文化理解の必要性を現場体験を通して熱っぽく語られた。

浜地氏は、サブタイトルの「国際人の条件」と結びつけて、次のような事を語られた。

第一は、英語で誰とでも話せるようになり、世界を知ることで国際感覚を身に付ける事。第二は、人前で自分の意思をはっきりと言えること。第三は、日本人である事に誇りを持ち、自国の文化、歴史、伝統が語れる事を挙げられた。特に、浜地氏は、海外でのビジネスマンとしての体験を通して、国際人とは「分け隔てなく世界の人と接し、日本を敬う事が出来る人」であることを強調された。

浜地氏が、講演のまとめとして主張されたことは、文明は人類の共通の財産として共有し、その恩恵を受けるべきものであるが、文化は、理解が伴わないと衝突するので、異文化には、違いを認め合い、寛容な心で理解し合う精神が大切となることを熱っぽく語られた。当研究所でこのような内容が語られる事は初めてでもあったので、質疑応答も盛り上がり、有意義な月例研究会であった。

参照:講演レジメ(ワード)

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