浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第85回】 番外編「赦しのこころ」こそ世界平和への第一歩

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モンテンルパ収容所近くの日本人墓地(2016年2月、筆者撮影)

 

2016年08月26日

 

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キリノ大統領の記念碑

本年一月、天皇・皇后はフィリッピンを訪問、キリノ(元)大統領の孫娘に会われた。
参照:両陛下と懇談するルビーさん(時事通信)

そのキリノ(元)大統領の顕彰碑が東京、日比谷公園日比谷公会堂の東側に完成した。
参照:戦犯を釈放 比大統領顕彰 加納莞蕾が恩赦嘆願 東京に碑完成 親族が交流(中国新聞、ヒロシマ平和メディアセンター)

キリノ(元)大統領はマニラ市街戦で妻子4人を日本兵に殺された。が、大いに悩んだ結果、1953年7月、モンテンルパ刑務所に収容されていた100余人のBC級戦犯に恩赦を与えた。

そのこころは「赦し、Forgiveness」。これが、フィリピンと日本の経済関係を含む友好関係の原点である。

翻って、5月17日のオバマ米大統領の広島訪問については、「謝罪の有無」を巡って論議がある。日本被団協の事務局長田中熙巳氏の困惑、悩みも理解できる。
参照:事務局長、米大統領「所感」評価を後悔(毎日新聞)

が、「謝罪を求めない」からこそ、米国現役大統領の被爆地訪問という歴史的なイヴェントが実現したのである。
参照:【第82回】 オバマ米大統領広島訪問に学ぶ - 浜地道雄の「異目異耳」

日本自身がこの「赦しのこころ」を率先、実践することによってこそ、慰安婦南京虐殺事件など、難しい問題を抱える近隣国との融和への一歩が踏み出せる。憎しみの応酬に和平はこない。

日本被団協(と九条の会)へのノーベル平和賞授与への期待も高まる。(10月7日発表、オスロ) 参照:The True Nobel Candidates 2016: Article 9, Japan

関連サイト
世界の平和モニュメント ・世界の平和モニュメント Philippinesの項、Muntenlupaの現地報告