浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【第83回】 番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演

2016年07月11日 【第83回】番外編 国際教育研究会:月例研究会で講演 以下、許可を得て、同会の報告を記します。「当研究所でこのような内容が語られる事は初めてでもあった」とのこと。 折しものダッカ・ISテロ事件で、「コーランを知ってるかどうか」が殺…

【第82回】 オバマ米大統領広島訪問に学ぶ

2016年06月03日 5月27日、広島におけるオバマ米大統領のイベント・セルモニーは僅か50分だったが感動的だった。 そこではビジネス上も重要な「スピーチ」「プレゼン」また「異文化理解」の示唆を見ることができる。 17分のスピーチが終わった後、オバマ大統…

【第81回】 「バーカー」の愉しみ

2016年04月25日 出典: NY Times via Trainjotting さあ、緊張の一日、仕事が終わった。「お疲れ様」と、これは中々英語にしにくいがまあ一応Good work we did! そこで、ちょっと近所で一杯といきたいところだが、ここはNYCのマンハッタン。Japanese-Style B…

【第80回】 「意図的誤訳」の既成化〜広島宣言に思う

2016年04月19日 4月11日、主要7カ国(G7)広島外相会合で採択された「広島宣言」において、「意訳」が見られた。原文ではimmense devastation and human suffering(甚大な破壊と人間の苦しみ)とあるのを、日本語では「非人間的苦難」と発表している。 …

【第79回】 映画「Steve Jobs」に想う

2016年03月07日 映画「スティーブ・ジョブス」のスティールより 本稿を書いているのは、2016年2月29日だ。うるう年。 改めて、スティーブ・ジョブスによるアップル機の開発、披露。1984(ロス五輪)を中心に、歴史的に興味深いストーリーを思いだしている。 …

【第78回】 新年に思う接頭辞「A」

2016年01月13日 New Year! 新しい年の始まりだ。新約聖書によると「始めに言葉ありき In the beginning was the Word」(ヨハネ伝John 1:1)。ということで、本稿もことばの確認から始めよう。 そもそもと改めて考えると、1月は年の最初(First)の月なのか?…

【第77回】 Globish® + ESP = 仕事で使える英語

2015年12月01日 1500語で通じる非ネイティブ英語 グロービッシュ入門 某年某日、所用で都内のあるオフィスビルを訪ねた。その際、ロビーで「Globishセミナー」というポスターが気になった。何かと思って会場を訪ねると、「Global + English=Globish」で、即…

【第76回】 大雑把なBall Park Figure

2015年11月16日 多々ある球技(Ball Game)でも、米国でBall Gameというと野球(Base Ball)を指す。 その野球場(Ball Park)での応援は、日本でのように太鼓にラッパで大音響をということはなく、大事な場面では、万の客がシーンとなり、返って緊張感が増す…

【第75回】 「番外編」イスラムを知らずして世界は語れない

2015年09月02日 何故英語(ことば)を学ぶのか?「異文化理解の為」。その異文化のうち、日本人にはなじみがなく、他方、世界人口の1/5以上とも言われるイスラム教を検証してみた。 はじめに: 「コーラン」井筒俊彦 (岩波文庫) 「9・11事件を予見した」と…

【第74回】 Proactive考 〜 安倍首相の米議会演説に見る「意図的誤訳」

2015年06月08日 ヘンデルのオラトリオ「メサイアMessiah救世主」は歌詞が英語(古語)ゆえ、勉強になる。聖書The Book of Common Prayerからの聖句をなぞっての壮大な音楽の流れは感動的だ。 ヘンデル「メサイヤ」 Wikipediaより その第二部最終の「ハレルヤ…

【第73回】 Speak-up ⇒ Engineering (創造)

2015年05月14日 日本経済新聞社の朝刊連載コラム「私の履歴書」は、各界で名を挙げ功をなした人の赤裸々な個人情報も含む文字通りのPersonal History個人史だし、résumé(仏)或いはいわゆるC.V.ラテン語のCurriculum Vitae人生の物語だ。 本年2月に連載の重…

【第72回】 同時通訳の大御所、逝く

2015年03月30日 同時通訳の草分け、國弘正雄氏が亡くなられた(2014年11月25日)。筋金入りの護憲派(憲法九条)であられた。来る4月7日の「偲ぶ会」(於:国際文化会館)を前に、同氏へのインタビュー(2007年9月4日。於:国際文化会館)をここに再現する。…

【第71回】 Lay Down Your Arms 〜 ノーベル平和賞・憲法九条

2015年02月10日 何故英語を学ぶのか? 〜 世界平和のために!その原点は「異文化、異宗教=自分とは違うのだということの理解」だ。参照:イスラームの理解 Alexis Dudden教授 ビジネスマンとして、中東(イラン、サウディアラビア)、及び米国(NYC)で生活。…

【第70回】 「First Name」で呼び合える仲?

2015年02月06日 ハンガリーの墓碑(Wikipediaより) 今は昔、よき時代(?)のイラク、長期出張中のバグダッドのホテルでハンガリー青年歌舞団と一緒だった。当時の社会主義国間での文化交流だったのだろう。 持参してたクラリネットで合奏したり、英語は通…

【第69回】 英語ができるようになった瞬間!?

2015年01月15日 ウドウロク by 有働 由美子。詳細はこちら。 有働由美子さん。言わずとしれたNHKの人気アナウンサーだ。その有働さんが初めて本「ウドウロク」(新潮社)を出したというので早速読んでみた。45年(と自分で書いてる)の人生での特記事項は3年…

【第68回】 集団的自衛権=憲法九条違反 〜 英語教育の観点から

2014年11月30日 本欄は政治論議が目的ではない。が、日本の同時通訳の草分け、國弘正雄氏逝去(11月25日)にあたり、やはり書いておかねばならない。 英語教育の目的は「平和構築」という観点からーー。 参照:何故英語を学ぶのか 〜 世界平和のために!参照…

【第67回】 PeaceとPacifist 〜 ビジネスも平和が前提

2014年11月28日 ノーベル賞 10月10日、ノーベル賞平和賞が発表された。日本の報道では賛同一色だが、元々、「子供たちを救う・人権」はA.ノーベルの遺志には入ってないゆえ、多分に政治的考慮(パキスタン・インド)だと、異論は少なくない。 筆者は、石油担…

【第66回】 「イギリス」という国は存在しない?!

2014年09月17日 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland 名は体を表すNames and natures do often agree。ビジネス上「相手を知る」のはだいじだが、ことに国名は治政・歴史に直結し、興味深い。記憶に新しいFIFA(Federation International …

【第65回】 「East is East」か「East is West」か?

2014年08月20日 エフェソスとイズミールの位置 神秘的な黒海の周辺は複雑な治政の交差地だ。北側はクリミアを含むウクライナで、ソチ冬季五輪以後、思わぬ紛争に発展していった。そして、南側はトルコ。違う様相で異文化が絡み合う。黒海の出口、イスタンブ…

【第64回】 パルムの焼印(Brand)

2014年07月01日 パルムの焼印 「赤字か黒字か」はビジネスにとって究極の課題だが、フランスの文豪スタンダールの小説「赤と黒」は野心に満ちた青年の悲劇。赤は軍服、黒が法衣という当時の社会情勢のシンボル化Metaphorだ。これはまだわかり易いが、同じス…

【第63回】 Flowerの華々しいグローバル化

2014年05月28日 Rose Scepter'd Isle バラ セプタードアイル by T.Kiya, on Flickr 米国は車社会だ。そこで質問:「米国の国花は?」。こういうRiddle(なぞかけ)は、英語力に直結しており、我々Non-Nativeには中々難しい。が、Car-Nationと答えられれば上…

【第62回】 「ビジネスも平和が前提ですね」

2014年04月24日 ノーベル委員会受付の確認書 【第57回】 何故英語を学ぶのか ~ 世界平和のために! - 浜地道雄の「異目異耳」 「九条にノーベル平和賞を」記事(東京新聞、1月3日号)に接し、「頭をガーンと殴られるほど」に衝動を受け、触発され、年初から…

【第61回】 ソチはどこじゃ? 〜 黒海を巡りODESSAに至る

2014年04月07日 ソチの地図:日刊スポーツから転送。 世界に「色」のついた海、紅海、黄海、白海などあるが、黒海ほどその名に相応しい海はなかろう。そのほとりに立つと、確かに黒く深いという印象。と同時に多様な文化・文明が歴史上絡み合って、まるでBla…

【第60回】 「憲法九条にノーベル平和賞を」に賛同してくれたチョムスキー教授

承前: 【第59回】 チョムスキー教授来日講演 〜 世界平和への共鳴 - 浜地道雄の「異目異耳」 2014年03月07日 チョムスキー教授。本人許可を得て、筆者撮影。 何故英語を学ぶのか? 〜 世界平和のために! これ以外にない。「戦争を二度とするまいという願い…

【第59回】 チョムスキー教授来日講演 〜 世界平和への共鳴

2014年02月03日 チョムスキー言語基礎論集 (福井直樹編、訳:岩波書店) マサチューセッツ工科大学(MIT)のノーム・チョムスキー名誉教授はすぐれた言語学者である(生成文法を創始した科学者)。その高邁さ(と同時に筆者にとっては難解さ)と世界の言語…

【第58回】 新年 〜 馬脚を表わさないように

2014年01月30日 出典:bizocean 2014年の幕開け。平成26年、干支(えと)は「午(うま)」だ。「牛とどう違うのか?」と駐日サウディ・アラビア大使(早稲田大学卒、日本語堪能)に聞かれた。「うん、角(つの)が無いのだ」と答えたが、納得してもらえたか…

【第57回】 何故英語を学ぶのか ~ 世界平和のために!

2014年01月15日 現駐日サウディアラビア大使とともに 某年。国際会議「異文化理解教育フォーラム」から帰国された鳥飼玖美子教授(立教大学大学院)のことばが忘れられない。そこで討議されたのは「言語・異文化を学び、尊重することは、戦争を二度とするま…

【第56回】 What is スジャータ? 〜 インド人がびっくり

2013年12月03日 画像:スジャータの乳粥(ちちがゆ)。出典:いたたた・・タイ 某年、場所はインドのボンベイ(今のムンバイ)。日本の財界大物が来印、同地の商工会で歓迎会が開かれた。挨拶に立った同氏がこう始めた。「このお釈迦様の国。仏教の国に来れ…

【第55回】 使える英語、教養、地域研究 〜 グローバル人材の要件

2013年10月07日 (右から)パネリスト:名古屋外国語大学長 亀山郁夫氏文部科学省審議官 坂東久美子 氏三菱商事取締役会長 小島順彦 氏東京工業大学教授 池上 彰 氏 10月2日、日本経済新聞社主催の「大学改革シンポジウム・成長戦略における グローバル人材…

【第54回】 Charisma講師、「実用英語推進」へ

2013年09月13日 英語は音読で伸ばせ! 子どもを英語好きに変える、中学からの勉強法(著:安河内 哲也) 「只管音読」!?と、言われても、わからない。「ヒタスラ音読」、即ち、英語の上達の鍵だ、と英語教育の大御所(同時通訳)の国広正雄氏から伺ったのは…