浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【310回】 反戦運動家・経済学者Ellsbergエルスバーグ氏 逝く

16日、外電がDaniel Ellsberg氏の逝去を伝えた。92歳すい臓ガン。合掌。

Greatest whistleblower ベトナム戦争におけるトップシークレットをリークした勇気、即ち、ベトナム戦争の愚を暴露した(1971)記録は「映画ペンタゴン・ペーパーズ・最高機密文書」(2017)に詳しい。原題:The Post=記事を掲載したWashington Post紙



直接の面識はないが、筆者(浜地)にとって忘れられない反戦運動家であり、優れた経済学者だ。

1)時は2018年5月12日。NYCマンハッタンmidtownのワシントン広場に隣接するJudson Memorial教会  

【第189回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(6) - 浜地道雄の「異目異耳」

1910年にノーベル平和賞を受賞したIPB(国際平和ビューロー)主催の国際会議「TWO MINUTES TO MIDNIGHT」即ち、終末時計による「もう後2分」という地球危機。   

そこにDaniel Ellsberg氏が登壇(ネット中継)。核戦争の脅威、核兵器廃絶を中心に、平和への強い主張を述べた。

Two Minutes to Midnight - RLS-NYC

 

2)さて、そのEllsberg氏は又優れた経済学者である。 

【第215回】 VUCAの時代:あいまい(ambiguous)な日本の私 - 浜地道雄の「異目異耳」

拙稿中段。1962 年、母校ハーバード大学から経済学博士PhD. in Economicsの学位を得ている。その学位論文のタイトルは『リスク、曖昧性および意思決定Risk, Ambiguity and Decision』という野心的なものだった。

現下のコロナパニックにあって改めて(Fナイトと共に)思い出し、感慨深い。

【第205回】 新型コロナは本当に怖いのか ~ COVID19で想うFナイトの「不確実性」論 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

3)外電によると、Ellsberg氏は3月、すい臓がん、余命3-6か月と告げられた。

これにより、6年続けてきた「塩分無し」食事の解禁を医者から得た。

よって、好きなものを食べるという喜び!ホットチョコレート、クロアッサン、ケーキ、poppyseedベーグル、lox~~。美味しいこと!

家族に看取られながらの最後の言葉は「楽しかった」「家族を含め、友人知人、仲間。みんなありがとう」とのことだった由。

コロナ・パニック終息の決め手 ~「何かあったらどうするんだ症候群」(為末大氏)検証 | ISF独立言論フォーラム

拙稿冒頭に記した(リンク)ごとく、「無理な延命治療をしない福祉国家スエーデン」の例を想起する。人は寿命がくれば天に召されるー! 

先年105歳で亡くなった日野原重明医師のことば「終末期医療」に直結する:「患者は、尊厳ある穏やかな死を迎えられるべき」、「残された時間を自分らしく精一杯生き切る人生の方が、患者にとって重要」~~。

 

重要参考:(乗松聡子氏)

Peace Philosophy Centre: 「私は自分の人生を、核戦争を起こさないという目的に捧げてきた」ダニエル・エルズバーグ氏追悼 Remembering Daniel Ellsberg, 1931 - 2023