浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第217回】コロナ・パニックに強く思う ~ 「『安全』と『安心』は別物」

 

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「コロナ自粛の大罪」(鳥集徹。宝島社新書)

 

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三浦良一氏と愛機

7月11日、イギリスの富豪実業家、リチャード・ブランソン氏(70)が自社ヴァージン社開発の宇宙船で、大気圏と宇宙の境界となる高度85キロまで上昇し、無重力状態を体験、有人宇宙飛行をした由。飛行時間90分、宇宙体験は6分間。


これをもって同氏(同社)は一般向け約2800万円のチケットを売り出し、すでに700枚を売り切った由。我々庶民にとってこの値段は法外であり手が届かない。そして、その以前に恐怖感が先にたち、筆者(浜地)には到底あり得ない。この宇宙計画では確かに技術的には計算し尽くされたいるはずであり「安全」なのだろう、が「安心」はできない。怖いーー。

折しも、友人、三浦良一・NY生活プレス社長から趣味である「飛行」の若き日の写真が送られてきた(掲載許可済み)。説明にいわく:「私がよくレンタルして飛んでいた愛機、パイパートマホーク。低翼なので安定性は悪いけど旋回性は零戦なみ。1985年ロサンゼルス市コンプトン飛行場で。ラジコン模型飛行機の操縦の方が難しいと思う」とある。そうなのだろうか。確かに技術的(事故率)には安全なのだろうが、どうしても安心感は得られない。 思うだに恐ろしく、ただただ「勇気があるなあ」と感心するのみ。年月が経ち、これだけ世界中に航空網が発達しても、飛行機を怖いと思う人もいよう。

そこで、思いが現下の「オリンピック実施」と「(コロナ禍による)緊急事態宣言」という二つの相反する決定に直結する。

菅義偉総理大臣は「緊急事態宣言のもとでオリンピックを開催する中、国民の命と健康を守るため感染対策を徹底し、『安心安全の大会』を実現していく」と繰り返し述べている。 

が、ここは考えねばならない、上述「宇宙船」「パイパー機」の通り、人間にとり「安心」と「安全」は異なるものだ。

厚生労働省の発表に基づく資料(東洋経済)によると、コロナによる死亡(重症)は奇跡的に少ない。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

F. ナイトの示唆に沿えば、即ち、エビデンス(証左)は安全を示している。

従い、国の施策としては、まず、この「安全(=死亡者が少ない)」を検証した上で強調し「安心して下さい」と国民に訴えるべきであり、さすれば、内閣支持率もここまでは下がらなかったろう。「安心安全」を繰り返しても圧倒的多数の市民には「安心感」は得られない。 

哲学者、一ノ瀬正樹教授は「正しく知り、正しく恐れ」、その上で「病災害の世界をしなやかに生き抜こう」と提案している:                                                                              ・ 人は寿命が来れば死ぬ。ゆえにこそいのちを大切に。                                                ・  この世に「リスク・ゼロ(コロナ・ゼロ)」はない。

【第216回】 五輪実施 ~ コロナを正しく知り、正しく恐れる - 浜地道雄の「異目異耳」

 期せずして、この「正しく知り、正しく恐れる」という趣旨から筆者(浜地)らは「コロナ前」の暮らしを取り戻そう!市民の会と声明を発出した。

「コロナ前」の暮らしを取り戻そう!市民の会声明 | 募金もできるオンライン署名プラットフォームVoice(ボイス)。あなたの声で社会は変わる。

是非の賛同、拡散をーー。 (画面右上の赤をクリックして、署名、コメントをー)

就中、鳥集徹氏の「コロナ自粛の大罪」は、平素TVワイドショーなどに頻繁に登場し「感染、自粛」を連呼する「医療専門家」とは別に、「正しく知り、正しく恐れよう」と主張する「医療専門家」7人をインタビューした貴重な記録である。

コロナ自粛の大罪│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル