浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第312回】 高論「教育について考える」に励まされる

コロナ、ロシア・ウクライナ紛争、統一教会と混乱の日本。そして、「(次世代)教育」への不安が折からのchat GPT旋風にあって付きまとう。

 

情報ビジネスに無関心ではいられない筆者(浜地)はchatGPTを盲信してはならない、と主張する。

【第309回】Chat GPTは次世代教育にどう影響するか? | ISF独立言論フォーラム

 

そんな折、貴重なシンポジウムを知り、聴講した。

Special Dialogue – Global Health Innovation Policy Program (GHIPP)

(7月18日、於:GRIPS政策研究大学院大学

講師、田村哲夫氏は渋谷教育学園理事長。86歳。言葉は穏健ながらも「日本の(グローバル)教育」を自身の成功例を踏まえて力強く語った。

田村哲夫氏講演 (写真許可済)

何と、出だしはchatGPT。そしてまたchatGPTで話を結んだ。「要(かなめ)は自ら調べ、自ら考える、「自調自考」。そして『自己理解』」と-。

「(自分とは違う)他者とのコミュニケーション」「数学と言葉(英語)」、Liberal Arts」「自信と謙虚」――、次々に重要テーマが出てくる。

 

更に(筆者にとって)新鮮だった用語は:

・謙虚とはModestyやHumbleというよりは、Pietyであり、Humor やHumanityが含まれる。

基本的人権の中核は「自分が望む人生を選べること」「自身が主体的に人生を歩んでいけること」であり、それはAgency、つまり(哲学や社会学でいうところの)行為者性、行為主体性である。 

 

田村氏の論考は近著「伝説の校長講話」(中央公論新社)に詳しい。

伝説の校長講話 田村哲夫(著/文) - 中央公論新社 | 版元ドットコム

 

頭記したごとく、「AI (人工知能)を管理するのはHI (Human Intelligence/Intelect人間の知力)」と主張する筆者(浜地)は大いに励まされた。

 

続いて、黒川清GRIP名誉教授によるコメントと対話:

セッション:右から、黒川清氏、田村哲夫氏、村上博美氏 (写真許可済)

氏はまず「大学の成り立ち」、即ち読み書きそろばんから次の4項を必須という教育、と説く。

1)法律 2)サイエンス 3)医学、そして4)神学。(ユダヤイスラム、キリストーー)。

はたまた「岩倉使節団」へ言及、「どうして?」と考えることの重要さ。

そこで、筆者(浜地)はまたまた励まされるー。

Cultに遭った明治期のグローバル志士たち | ISF独立言論フォーラム

 

猛暑の日。久しぶりに熱い「大学(院)授業」を受けた思いだ。