浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第284回】故郷南紀訪問(1/2)太地:「原爆被災の図」石垣栄太郎

2022年末。久しぶりに故郷南紀を訪ねた。
(旧本籍:東牟婁郡古座川町高池。小学校:新宮市三輪崎)
数々の思いでに浸り、望郷・回顧とまるで症候群ともいうべき想いを満喫した。

そして、太地にある石垣(栄太郎、綾子)記念館を訪ねた(12月23日)。
https://taiji-kanko.jp/facilities/ishigaki-memorial-museum2.html

南紀出身の石垣栄太郎はのちにNYCマンハッタン、グリニッジ・ビレッジに妻綾子とともに居し、そこを拠点に活躍したとのことで、(勝手な)親近感が深まる。

そして多くの展示絵画のうち、原爆被災の図(原題不詳、1946 昭和21年)に目が行く。

【原爆被災の図】*撮影許可済

 

【写真:その前で】

その説明にこうある:
八月六日の朝、「ニューヨーク・タイムズ」の一面の不気味なきのこぐもの写真が、朝食をとる(ヤド)コロニーの人々の前に突然もたらされた。新聞を持ってきたエームス夫人は、「私は、アメリカ人の一人として深く恥じ入ります。日本の人々にこんなひどいことをしてあなたがたに顔向けできません」と言った。アグネス(スメドレー)は広島と長崎の原爆のニュースが入ると、「日本が空爆でほとんど破壊しつくされた時に、たった二個しかない原爆をなぜ急いで投下したのだろう? ソ連はあと数日のうちに参戦することになっている。アメリカのアジアでの侵略を確保しようと、一刻を争ったのではないか」と意見を述べていた。のちに栄太郎はこの憤慨をキャンパスにぶつけて、原爆被災の絵を描いている。 (石垣綾子「海を渡った愛の画家」)

(注:これはNY北部にある保養地サラトガのヤド・コロニーに滞在中の二人についての記述。同書p188)

石垣綾子とは - コトバンク


さあ、新年2023年五月にはG7サミットが広島で開催される。
その機に「広島・長崎の悲劇」を改めてアピールし、「核兵器廃絶」を主張すべきであろう。

 

=続く=

【第285号】故郷南紀訪問 (2/2)串本町 「日本トルコ友好の歴史」 - 浜地道雄の「異目異耳」

 

関連拙稿: 

【第82回】 オバマ米大統領広島訪問に学ぶ - 浜地道雄の「異目異耳」