第23回研究会:
1.テーマ:「情報大混乱時代」にあって重要なFact Check/真偽の検証
2.講師:浜地道雄:国際ビジネスコンサルタント ・GBCJアドバイザー
3.日時:2022年5月14日(土)13時~14時30分
講演要旨:
【第250回】OSINT時代に想う「情報」と「知力」= Intelligence - 浜地道雄の「異目異耳」
インターネットの発達で、SNSなどであらゆる情報が世界を駆け廻るという時代になった。現下の情報氾濫=社会混乱の二例、「コロナ・パニック」と「ウクライナ侵攻」、を見る時、これを「進歩」と呼べようか?前者は2020年初頭の発生当初の「殺人伝染病」的脅威がトラウマとなっているが、日本での「死亡者数」は奇跡的に少ない。後者は本年2月14日に始まり、「巨悪プーチン」「可哀想なウクライナ」が情報の主流だが「歴史、治政」の検証が行われてない。ゆえに、今やFact Check(=事実は何なのだ?)が極めて重要課題である。が、IFCN International Fact-Checking Networkに日本は含まれていない。
講師 : 浜地道雄::国際ビジネスコンサルタント GBCJアドバイザー
1965年慶應義塾大学経済学部卒、ニチメン(現双日)入社。貿易研修センターにて研修。イラン、サウジアラビアに駐在。転職後(株)帝国データバンク・アメリカ社長を経て独立。愛知万博のサウジアラビア館の設営・運営に参画。現在EF Education First日本法人顧問。長年、(一社)在外企業協会「月刊グローバル経営」にGlobal Business English Fileを寄稿。
重要追記:
ここに記したOSINT Open Source IntelligenceについてはBelling Catを挙げねばならない。猫の首に鈴をつける、というイソップ物語からのネーミング。https://gendai.media/articles/-/97098?imp=0
2014年7月、ウクライナ東部の上空で、オランダ発マレーシア行きのマレーシア航空17便(MH17便)が撃墜され、乗客・乗員298名全員が死亡した。犠牲者の国籍は10ヵ国にも及び、なかでもオランダがいちばん多かった。事故は親ロシア派の武装勢力による仕業か、それともウクライナ軍の仕業なのか、激しい論争が起きた。
そして、Belling Catによる入念なOSINTによる検証の結果、「ロシア軍による撃墜」と突き止めた。
このロシアによるウクライナ上空でのロシアによるマレーシャ航空追撃について、筆者(浜地)が非常に尊敬するロシア文学者亀山郁夫氏はこう述懐している。
毎日新聞 2022年4月22日 夕刊 「特集ワイド」
ロシア文学者で名古屋外国語大学の亀山郁夫学長は、ウクライナ侵攻をどう見ているのか。ロシアのプーチン大統領の「夢」を読み解いた前編に続き、後編では、こうした政治家を生み出したロシアの風土について語った。
・「ロシア文学者をやめようと考えた」ことがあったと。きっかけを教えてください。
・2014年7月にマレーシア航空の旅客機がウクライナ東部で撃墜され、乗客全員が死亡した事件です。この事件で、乗客、クルー合わせて298人もの命が失われました。
・撃墜したのは、むろん親露派武装勢力です。その事実を知ったとき、頭から血が引きました。「民間人、それも子どもの命をも犠牲にしてまで、押し通さねばならない正義があるのか」と絶望したのを覚えています。
再追記:
本件。「なぜ、マレーシャ機を?」という疑問が残るが、「誤爆」という説もある。 さあ、オランダにおける裁判が結審。いよいよ11月には判決が出る由。
マレーシア航空MH17機撃墜事件裁判、11月17日に判決言い渡しへ