浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第188回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(5)

 

 

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ECUMENICAL CENTREの入居者リスト



 

 

(2018.3.5JICL法学館憲法研究所に寄稿)

 

   

「世界平和」とは真反対の「地球儀俯瞰外交」

 

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ジュネーブにあるICANの入る ECUMENICAL CENTRE





ノーベル平和賞2017がICANに授賞され、裏方(「日本被団協」)の筆者としてはまことにうれしいこと。
そのICANの本部事務所(ジュネーブ)を訪ねた「九条・地球憲章の会」の堀尾輝久代表(東京大学名誉教授)から写真が送られてきました(2月7日)。

私は「(日本的に)雑居ビル」の一室と思っていました。
が、ノーベル平和賞2018に「九条の会」を推薦nominateして下さった野元晋教授(慶応義塾大学、中東思想史)から、「Ecumenical(宗派を超えての)世界教会主義」という非常に重要なご指摘があったので、要約下記、ご披露します。

痛感するのは、グローバル化が叫ばれる日本にあって、現下の日本政府の「地球儀俯瞰外交」に致命的に欠けている「異文化(宗教)」理解、という視点。
安倍晋三首相が「100%信頼する」というトランプ米大統領の危うい言動。
就中、駐イスラエルアメリカ大使館のエルサレム移転政策は、この「Ecumenismエキュメニズム」とは真反対で、世界平和を脅かす危険なものです。

参照:世界宗教者平和会議日本委員会

さて、このビルの看板で見るとキリスト教教会関係は"Ecumenical Organizations"と一括りになり、同じビルに"World Council of Churches"(世界教会協議会)とか、"Lutheran World Federation" (ルター派世界連盟)とか錚々たる国際的キリスト教機関が入っていることが記されています。

その中に"Ecumenical Patriarchate Representation"というのもあります。これは「世界総主座代表部」の意味で、現コンスタンティノープルイスタンブル)総主教座が持つ代表部です。これは勿論、かつて東ローマ帝国、もしくはビザンツ帝国の首都であったコンスタンティノポリスの総主教座で、1453年の同都陥落とその後のオスマン帝国支配を生き抜き、そしてトルコ共和国の管理下に存続し、東方正教会の世界的名誉首座の地位にある総主教座が持つ代表部です。
"Ecumenical"の語源であるギリシア語"Oikoumen?"は「人が住む地域」というほどの意味を持つ言葉ですが、アリストテレスの用例にもあるように、後にギリシア人、非ギリシア人に関わらず、「人が居住する世界」の意味を持ち、人が住む世界全体を指すようになりました。

なお"Oikoumen?"の構成要素の語"oikos"は「家」とか「人が住む場所」全般を意味し、これが"oikonomia"となりますと、"nomos"(「使用」、「慣習」、「法」、「規則」)の意味が加わり、「家族の管理」となり、転じて「管理」、「行政」、「アレンジメント」の意味も出てくるようです。この"oikonomia"は"economy"(節約、倹約、経済)の語源であると思います。

 

 

参照:Ikonomi氏とEconomy

https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2020/10/06/000000_1