浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

ダーウインに習う「Hybrid人材」

【第293回】ダーウインに習う「Hybrid人材」

 

非公式:予稿

 

「ハイ・ブリット」。英語教本のタイトルを知って、

何ごと!?といぶかった。

「世界的作家からの英語文学へのインビテーション」とあり、

村上春樹氏の翻訳家としての教材だ(アルク社)。同氏が偏愛翻訳した短編小説とのことで興味深く、引き込まれる。

 

その監修者・柴田元幸氏の説明はこうだ。

Hybrid(混成の)とliterature(文学)の合成語。

小説を原文、ほんやっく、朗読といういろんなかくどから味わえる由。

なるほど違う種類を混成して新しい物を作るハイブリッドだ。

 

Hybrid。辞書で調べると「動物あるいは植物の混成種」とある。

 

動物でいえば雄ロバと雌ウマの混成d騾馬(mule).

 

植物ではチューリップ。

なるほど、ちまたでは卓越した自然科学者の名を冠したダーウイン・ハイブリッド・チューリップが取引されている。

(画像)富山県花弁球根農業協同組合提供

 

 

そこで想起するのは件のダーウインが友人にあてた言葉だ(生涯と書簡集、1887)。

「法律家、詩人、博物学者、そして神学者の要素が複雑に交じり合ったものhybridが

君なのだよ!」

 

ダーウインのいうHybrid型人材はmule騾馬のごとくたくましく、同時に

チューリップのごとく「華のある」魅力的人材だ。

 

関連リンク:

<公式> 2023となみチューリップフェア (tulipfair.or.jp)