浜地道雄の「異目異耳」

異文化理解とは、お互いに異なるということを理解しよう、ということです。

【第186回】ノーベル平和賞(日本被団協と九条の会に)考(3)

  

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「アフガンの少女」(ナショナル ジェオグラフィック)

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Malala嬢・ノーベル博物館(EF Education First)


(2017.12.18JICL法学館憲法研究所に寄稿)

ノーベル平和賞2017を喜び、今後を考える

(承前)ICANノーベル平和賞2017を授賞(2017/10/16)

 12月10日、A.ノーベルの誕生日、ノールウエイの首都オスロの市庁舎での授賞式、非核兵器についての授賞スピーチが大きく称賛、報道されました。

 2014年来、裏方として追ってきた者(「日本被団協」と「九条の会」に)として、感無量です。

 と、同時に裏方であるがゆえに、強調しておきたいのはICAN日本被団協をNominate(推薦)してきた内外の知識人*。
一例:

The Nobel Peace Prize Watch


・Ole Petter Ottersen 教授、 Oslo 大学学長
・Dr. Hellen Barsosio、ケニア。1985年同賞授賞のIPPNW理事。
(International Physicians for the prevention of Nuclear Weapons 核戦争防止国際医師会)

中国の故事にならえば、「飲水思源(いんすいしげん)」:水を飲む際には、井戸を掘った人の苦労を思う。

オスロのノーベル委員会の規約:・推薦(nomination)資格者は国会議員、大学教授、過去の受賞者、等(不特定多数の署名は不可)。
・対象は「個人」か「団体」(「9条」は不可)。
・自推は禁止。
・受賞対象は3人または3団体まで。

そして今後の課題
1)唯一の被爆国として、日本(政府)が核兵器廃絶にどのようにリーダーシップをとって行くか。「核の傘」が有効なのか? 米トランプ大統領に追従するのが妥当なのか?
 因みに、同大統領の「イスラエルの首都をエルサレムに」宣言は、中東(聖書時代以来の紛争)を知るものには「恐るべき所作」と映ります。=中東紛争→IS過激派のテロ誘発。
 即ち、イスラム(過激派)の絶対生活訓「聖クルーアン」の教えは「徹底抗戦=最後の一人まで戦う」です。

2章牝牛186節:「汝らに戦いを挑む者があれば、アラーの道のために堂々とこれを迎え撃て」
2章牝牛188節:「しかしむこうが(戦いを)止めたら汝らも手を引け」

 この政治心理はイスラム圏ならずとも、或いは、北朝鮮ならずとも、世界の戦争・紛争の歴史が示すところです。いえ、我々の日常生活とも軌を一にするところです。

2)「世界の宝九条」を守る「九条の会」(全国で7,000)の運動を、どう世界に広げていくか。

 今回、ノーベル平和賞に「日本被団協」を推した米欧知識人が「九条の会」を推さなかった主な理由として、その発起人9人の多くが他界した今、その活動が「英語・外国語によって」世界に知らされてないこと、を挙げました。先般、事務局長の小森陽一教授(尊敬すべき「夏目漱石」研究家。漱石は日清・日露戦争の観察をベースに非戦思想の小説を朝日新聞に掲載した)にはご説明・ご提案を申し上げました。

 振り返れば、2014年1月2日付けの東京新聞記事「憲法九条にノーベル平和賞を」に触発されての運動。「武力で平和は不可能」⇒「憲法九条は世界の宝」という主張する、 私は驚いた次第です。素晴らしい!と。
 その原点は、商社マンとして中東経験、情報産業に転職後のNY移住。
 そこで遭遇した10指に及ぶ「テロ・紛争」遭遇。
「異文化(宗教)」の衝突」の体感です。

 そして、これ(ノーベル平和賞2017・ICAN受賞)にて、一段落といたします。